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67.若松の渡し船・平成筑豊鉄道

説明

背景

1997年も4月が過ぎ、5月になろうとしていました。

そういえば去年の6月から、航空機に往復割引が適用されなくなっちゃったんだよなあ、と思い起こしました。

去年の5月は急がないと値上がりしちゃう!と言って5月中にあわてて伊丹まで往復して大阪旅行をしたものでした。

そして今までに5回使った一般周遊券のことも頭に思い浮かびました。去年の5月以前の時点で、一般周遊券でも航空券は組み込めていたものの、航空機の往復割引と一般周遊券の割引は重複して適用されないので、往復航空機を周遊券に組み込むと割引の意味がなくなってしまいます(行き帰りに8日以上かかる場合のみ、往復割引がきかなくなるので意味ができます)。

しかし今は往復割引はありません。そのかわり一般周遊券の1割引は、日本エアシステムのみですが残っています。
よし、いっちょう一般周遊券に日本エアシステムの航空機を組み込んでどっか行こうか、と思いました。

計画

北海道に行きたいなあ〜と思いました。
その時考えたのはこんなものです。

羽田空港→新千歳空港→南千歳→苫小牧→様似(バス)えりも岬(バス)様似→苫小牧→南千歳→新千歳空港→羽田空港
横浜→横須賀(バス)観音崎(バス)横須賀→横浜

検証1

一般周遊券の条件を検証します。

(1)JRは新千歳空港〜様似の往復だけで201kmを超えています。ですのでこの条件はOKです。
(2)経路は連続していない区間があります。羽田空港・横浜ですが、同一市内ではありません。しかしここは特例で不連続が認められています。
というわけで経路はこれで十分です。
(3)一見出発地・羽田空港、終着地・横浜で出発地に戻っていないようですが、(2)の特例をもう1回使うと羽田発羽田行きになるので出発地に戻ってきています。
(4)JRの他の区間ですが、羽田空港→新千歳空港、様似→えりも岬、えりも岬→様似、新千歳空港→羽田空港、横須賀→観音崎、観音崎→横須賀です。これらのうち、

・指定地接続線:様似→えりも岬、えりも岬→様似、横須賀→観音崎、観音崎→横須賀
・経由社線:羽田空港→新千歳空港、新千歳空港→羽田空港

以上の通りですのでOKです。
なお、航空機はどれも経由社線になるわけではなく、これらの一部のみとのことですが、羽田空港発の国内線はすべて経由社線になっているようです。
(5)周遊指定地としては、えりも岬、観音崎の2ヶ所に寄っています。
ですので条件は満たしています。

つまり、本命はえりも岬なのですが、周遊指定地をもう1個増やすのが難しいので羽田近辺でお手頃な観音崎に行こうとしたわけです。なお、一般周遊券は1ヶ月有効なので、観音崎には1週間後に行ってもかまいません。

修正1

しかし、5月は北海道は寒いぞ〜寒いぞ〜寒いぞ…と繰り返し聞かされているうちに九州に行きたくなってしまいました。軟弱にも予定をガラッと変更することにしました。福岡近辺で行っていないのは平成筑豊鉄道ですが、ここは第三セクターで、経由社線にも指定地接続線にもなっておりません。よってちょっと近くにある帆柱ケーブルというここもまだ行っていない指定地接続線に行き、ついでに行くことにしました。

ただ、横浜→横須賀(バス)観音崎(バス)横須賀→横浜のアイディアは生かしておこうと思いました。
それでこんな経路になりました。?駅というのは秘密です。

?駅→浜松町(モノレール)羽田空港→福岡空港
博多→香椎→西戸崎(バス)志賀島(バス)西戸崎→香椎→八幡
帆柱ケーブル山麓(ケーブルカー)帆柱ケーブル山上(ケーブルカー)帆柱ケーブル山麓
八幡→博多
福岡空港→羽田空港
横浜→鎌倉→?駅

検証2

一般周遊券の条件を検証します。

(1)JRには、?駅→浜松町、博多→西戸崎、西戸崎→八幡、八幡→博多、横浜→鎌倉、鎌倉→?駅とこまぎれに乗っていて、1つ1つは201kmを超えている区間は1つもありません。しかし合算して201kmになるのでこの条件はOKです。
(2)経路は連続していない区間があります。まず、福岡空港・博多。これは同一市内ですので不連続でも大丈夫ですし、もともと不連続が認められています。次に八幡・帆柱ケーブル山麓。これも同じ北九州市内ですので不連続でかまいません。
最後に羽田空港・横浜ですが、さきほど説明した通り不連続が認められています。
というわけで経路はこれで十分です。
(3)出発地に戻ってきています。
(4)JRの他の区間ですが、浜松町→羽田空港、羽田空港→福岡空港、西戸崎→志賀島、志賀島→西戸崎、帆柱ケーブル山麓→帆柱ケーブル山上、帆柱ケーブル山上→帆柱ケーブル山麓、福岡空港→羽田空港です。これらのうち、

・指定地接続線:西戸崎→志賀島、志賀島→西戸崎、帆柱ケーブル山麓→帆柱ケーブル山上、帆柱ケーブル山上→帆柱ケーブル山麓
・経由社線:浜松町→羽田空港、羽田空港→福岡空港、福岡空港→羽田空港

以上の通りですのでOKです。
(5)周遊指定地としては、志賀島、帆柱ケーブル山上の2ヶ所に寄っています。
ですので条件は満たしています。

すなわち、さきほどはJRの距離は十分だが周遊指定地が足りなかったため横浜発の路線を付け加えましたが、今度は周遊指定地は十分だがそのまま浜松町→?駅とするとJRの距離が201kmに満たないため鎌倉まで追加したというわけです。

なお、ここにはあげませんでしたが一般周遊券の発売条件には「迂回にならない」という条件があります。その点で鎌倉なんかに行っていいのかという点が問題ですが、鎌倉は「準周遊指定地」になっており、ここを目的地としてもいいことになっているのでだいじょうぶです。

修正2

旅行会社に申し込んで無事買えました。ただし、通常は航空券は2ヶ月前の発売ですが、ここでの航空券は「一般周遊券の一部」であるためJR券などと一緒に1ヶ月前を切ってから渡されました。その際、今までの一般周遊券はすべての券がホチキスでとじられて渡されましたが、今回は航空券だけ別にされました。磁気処理される都合です。
ぼくはこれまで全日空にしか乗っていなかったのですが、日本エアシステムの航空券はちょっと全日空とは違うようでした。

宿泊は小倉にしました。小倉にモノレールができていたのでそれに乗ろうと考えたからです。

日本エアシステム・羽田〜福岡

羽田空港

JR蒲田駅東口を発車した京急バスは、無事羽田空港に到着した。まずは降りる。

今日は浜松町で乗ったモノレールがポイント故障とかでまるで動かなくなったので、京浜東北線で蒲田に行き、バスで空港まで来たのである。

なにしろ一般周遊券なのですでにモノレールの船車券はあるのだが、一ヶ月有効なのだし、来週鎌倉に行くのに使おう。羽田空港から新横浜に行くバスが鶴見つばさ橋を通るそうだからそのバスに乗ろう、と思った。

かなり早くアパートを出たので、まだ少し余裕がある。去年はチケットレスだったが、今日は一般周遊券の一部として航空券がある。まずははじめての日本エアシステムの窓口に行き、機械で搭乗手続きをする。無事窓側の席が取れた。荷物を預けてX線検査を通る。

今日は去年と違って屋上で飛び立っていく航空機を見送る時間はないようだ。

福岡行きの出る待合室を見つけてすわって待った。やがて機体が見えてきた。あれがはじめて乗る日本エアシステムの航空機、レインボーセブンだ。機体をぐるっとまわる7色のラインが特徴の機体である。

4年前に全日空で福岡に出張した時は帰りがマリンジャンボだった。レインボーセブンはマリンジャンボみたいな派手さはないが、いいデザインだな、と思った。

羽田空港〜福岡空港

そして搭乗時刻になった。まずは乗る。ぼくの席は左側だった。右側だと富士山が見えるけど、左側だと見えないなと思った。そして離陸。いつもこの時は緊張する。坂道を上るみたいにぐんぐんのぼり、ようやく水平になる。しばらくは海しか見えないようだ。

お茶のサービスがやってきた。日本エアシステムにはジャワティーがあるようだ。ジャワティーをもらうことにした。まずは飲む。

ようやく窓から陸地が見えてきた。浜名湖だ。航空機から見える景色はいつもいいものだ。そのうち渥美半島、知多半島が見え、三重から奈良を抜け、瀬戸内海が見えるようになった。

広島を通り、山口から玄界灘の方に行く。そして左に曲がり、高度を落としてきた。九州の陸地に入ってきて、空港が見えてきて着陸、そして制動。この時も緊張する。まあ、福岡の空港ははじめてではないので、あとはなんとかなりそうだと思った。

航空機から出て通路を通って荷物受け取り場所に行き、荷物を受け取ってドアを出る。地下鉄の駅の方向は覚えている。見覚えのある立体駐車場と建物の景色だ。

こうして「見覚えのある場所」が増えていくとなんだか自分が旅慣れた人になったような気がしてうれしくなる。

下り階段だ。さあ、一泊二日の福岡のりつぶし旅行のはじまりだ。

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福岡市営地下鉄・空港線その1

計画

レインボーセブンを降りて地下に降り、地下鉄の入り口に来た。

残念ながら福岡の地下鉄は一般周遊券には組み込めないので、ここから先、博多までは別にきっぷを買う必要がある。

しかし地下鉄というものはどの都市の地下鉄も、短い区間だけ乗ると割高で、長く乗ると割安になるものであるから、福岡空港から博多まで短い区間を地下鉄に乗るのはもったいない。

まあ、帰りはいいとして、行きはもうちょっと乗って割安にしたい。

そして、このへんで一般周遊券に組み込めない路線は、西鉄の宮地岳(みやじだけ)線がある。
2年前は貝塚から和白(わじろ)まで乗ったが、今回は終点の津屋崎(つやざき)まで乗ろう。

本当は今持っている博多→香椎→西戸崎の周遊乗車券で和白で降りて、津屋崎まで往復した方がお得なのだが、また去年の神戸の旅行みたいに、行く先々で「このきっぷでは途中下車できません」などと言われるといやなので、できるだけ短い区間の周遊乗車券で途中下車したくないなあ、と思っている。

だから2年前のルート、地下鉄の箱崎線で貝塚に行き、そこから津屋崎まで行こうと思っていた。
今回は別に天神に寄らず、中洲川端(なかすかわばた)で乗り換えてもいいだろう。中洲川端がどんな乗り換え駅か見てみたいし。

そして2年前は福岡近郊区間の特例を使って筑豊本線の原田(はるだ)経由で博多に戻ってきたが、今度は篠栗(ささぐり)線経由で博多に戻ろう、和白まで戻るんじゃつまらないから、西鉄福間まで戻って、JRの福間まで歩こう、と計画を立てた。

福岡空港〜中洲川端

きっぷを買って自動改札をくぐって階段をおりると、まあまあの数のお客がホームにいる。羽田のモノレールと違って、ものすごく混雑するというわけではない。

羽田並みに混雑するのは千歳空港〜札幌間のJRくらいかもしれない。

折り返しの電車がやってきて、空港に向かうお客が降りていった。その後に待っていたお客が乗り込んでいく。
とりあえず全員座れた。さあ、今回も九州はじめての電車が発車だ。中洲川端まで短いが、しっかり乗ろう。

博多を過ぎ、祇園を過ぎて、中洲川端に着いた。とりあえず乗り換えよう。

さて、貝塚に向かうにはどうすればいいか、案内を探すことにした。

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福岡市営地下鉄・箱崎線

旅行記本文

中洲川端(なかすかわばた)駅は、福岡空港行きのホームと貝塚行きのホームが上下に並んでいる。

ここと似た構造の駅を知っている。近鉄の布施駅だ。
そしていまや、営団地下鉄日比谷線+東武伊勢崎線の北千住駅も中洲川端駅や布施駅と似た構造のグループに入ってしまった。

俗に言う方向別ホームと言われている営団地下鉄の赤坂見附駅や表参道駅、大阪市営地下鉄の大国町駅、京成電鉄の青砥駅に比べるとあまり便利な構造とは言えないが、広い土地が取れない場合、こういう構造にするのも仕方がないのかもしれない。
とりあえず貝塚行きホームに行き、電車に乗った。

今日もあまりお客はいない。

貝塚で2年前と同じく地上に出て、地下鉄を降りて改札を出た。さあ、今日は宮地岳線に終点まで乗ろう。

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西鉄宮地岳線

貝塚〜津屋崎

貝塚で津屋崎(つやざき)駅まできっぷを買い、2年前と同じく西鉄の電車に乗る。
あの時とあまり時間帯は変わらない。あの時降りた和白(わじろ)に着いて、発車した。和白から先もあまり景色は変わらない。

とある駅に停車する直前に、オルゴールのような音楽が聞こえてきた。チューリップの「心の旅」だ。
なかなかこういう電車には関東では乗ることができないので感心した。なんにせよ、ほかと違うことをやるのはいいことだと思う。

そのうち海が見えてきた。昼前のあまりお客のいない時間帯を、海沿いのやや古びた電車がごとごと進んでいく。

津屋崎〜西鉄福間

そして電車は津屋崎駅に到着した。いったん降りてあたりをながめてみるが、あまり変わった建物もない駅前であった。予定通り西鉄福間まで戻ってJRまで歩くことにしよう。西鉄福間まできっぷを買った。

博多方面であるので若干お客も多くはなっているが、それほど変わりはなく、海沿いの線路を進んで西鉄福間に着いた。駅を出る。

西鉄〜JR

細い田舎道が続いている。本当にJRの福間駅まで行けるのか気になる。

しかし、今までにもこのくらいの長い道を進んだことはあった。がんばって進もう。

徒歩

そのうち家並みも増えてきて、大通りを渡り、商店街のような場所も通った。
歩いているうちに駅が見えてきた。JRの福間駅だ。再びJRの旅行に戻る。

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鹿児島本線その1

旅行記本文

西鉄福間駅から歩いてJRの福間駅までやってきたぼくは、博多まできっぷを買って門司港方面のホームに行った。2年前と同じく、福岡の近郊区間の特例を使って福間→折尾→桂川(けいせん)→博多と遠回りして進んで篠栗(ささぐり)線に乗る予定である。

相変わらずそれほど混雑もしておらず、新しい電車がやってきた。時刻表によれば、この前と同様に接続のいい筑豊本線は黒崎の方から来るので、折尾駅では鹿児島本線ホームからいったん改札を出て進む必要のあるホームを通るようだ。それならば黒崎まで行って乗り換えた方がいい。

12時を過ぎ、ちょっと腹が減ってきたが、博多に着いてから駅弁でも買おうと思い、新しい快速電車でやや山がちな所を通って福間から黒崎までやってきた。さあ、乗り換えだ。

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篠栗線

黒崎〜折尾

2年ぶりに黒崎で電車を降りた。そして筑豊本線の連絡ホームに進む。

これから乗るのは博多行きの「赤い快速」である。この駅は博多方面の列車が鹿児島本線経由・筑豊本線・篠栗(ささぐり)線経由と2系統あり、まっすぐ博多に行きたい人がまちがえて筑豊本線・篠栗線経由に乗ると、時間が倍かかってしまう。

もちろんぼくはそんなことは承知の上で筑豊本線・篠栗線経由のこの赤い快速に乗るのだ。
そして福岡近郊区間の特例で、筑豊本線・篠栗線経由でも鹿児島本線経由でも運賃は変わらない。

赤い快速がやってきた。JR九州の列車は電車もディーゼル車もピッカピカの新車が多くて好きである。

まずは鹿児島本線をしばらく進んだ後、2年前も通った分岐点を左にそれていき、折尾に停車する。ここのホームは鹿児島本線のホームから離れている。そのため博多から来る人も黒崎まで行って筑豊本線に乗り換える特例が認められている。

折尾〜長者原

折尾を出ると、若松の方からやってきた路線と合流する。北九州の市街地を離れて、赤い快速は2年前にも通った筑豊の小高い山に囲まれた谷間を進んでいく。

直方、飯塚を過ぎ、桂川(けいせん)に着いた。2年前はここで原田(はるだ)行きに乗り換えたが、今回はそのまま博多まで乗る。

黒崎から筑豊本線に乗り入れるディーゼル車のかなりの本数が、篠栗線経由で博多に乗り入れている。

そして黒崎や折尾から、筑豊本線をそのまま進んで原田に進む列車は1本もない。
昔は大阪発の寝台列車の一部が博多を通らずに筑豊本線経由で直方などにお客を運んでいたとのことで、それを考えるとこの現状はとてもつらい。

桂川を出てしばらくすると赤い快速はトンネルに入った。

なにやらとても長いトンネルである。ディーゼル車の排煙でけむたくならないのかとても心配である。2年前に乗った桂川→原田のディーゼル車も長いトンネルをくぐったことを思い出した。

長者原〜博多

トンネルを抜けてしばらくすると、見覚えのある長者原(ちょうじゃばる)の駅を通り過ぎていく。
あの時はもう暗かったので、明るい中を通るのははじめてとなる。じきに市街地に近づき、吉塚で鹿児島本線に入り、博多に着いた。

これから乗る人が大挙してドアの前をふさいでいる。これじゃ降りられないだろ。

ぼくはドアの外にいる人をおしのけおしのけホームを進んで改札まで歩いた。
東京じゃ降りる人の分だけあけておくのが礼儀だぜ。

なんでも篠栗線はそのうち電化されるという話を聞いたことがあるが、いつのことになるのだろう。

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香椎線

博多〜香椎

篠栗(ささぐり)線の赤い快速を、ドアの前のお客をかきわけかきわけなんとか降りて、福間で買ったきっぷを見せていったん改札の外に出た。

さて、一般周遊券の「博多→西戸崎」の周遊乗車券を取り出して今出た改札から入ろうとすると、「出口専用」の文字が書いてあった。あれ、どうしよう。

そこにいた駅員にきいてみた。

「すいません、ここは出口専用ということですが、どこから入ったらいいですか。」
「どこ行くの。」
「さいとざき。」
「西戸崎ね。あっち行って。」

そんなわけですぐ近くの改札に行き、鹿児島本線のホームに行った。そして各駅停車に乗り、まだまだ博多の市街地の続きのような香椎(かしい)までやってきた。ここで香椎線に乗り換えである。

香椎〜西戸崎

まだ夕方には早いので、あまり博多からの帰りのお客もいない。むしろ観光地なので、こちらに向かう観光客もいるはずだが、観光に出かけるには遅い時刻らしく、そのような客もいないためディーゼル車はすいていた。

やがてディーゼル車は細い細い陸地を通るようになっていた。右側に砂の壁がせまり、左側には博多湾が広がっている。
不思議な地形である。博多湾と玄界灘の間に細い陸地が続いている。

海の中道という観光地の駅に着いたが、あまりお客は降りていかない。やっぱりみんな車を使うのかもしれない。
ディーゼル車はそのまま進み、終点の西戸崎に着いた。これで香椎線も完全乗車だ。

西戸崎駅前

西戸崎はそれほど大きな駅ではなく、まわりに大きな施設もない。でも多少降りる人がいるので、観光地というよりも、ここから博多に通う人がかなりいるのかもしれないと思った。

さて、今回の旅行の目的はなるべく多くの路線に乗ることであるが、一般周遊券のルールとしては、西戸崎までの往復だけでは認められず、必ず西戸崎から志賀島(しかのしま)までのバス路線も含めないといけないルールとなっている。志賀島は周遊指定地だが、西戸崎は周遊指定地ではないからだ。

志賀島までのバスの周遊乗車券を買うことにより日本エアシステムの運賃も1割引になっているというわけである。

しかし、せっかくバスの乗車券があることだし、志賀島ってどういうところだか見てみたい。そんなわけでバスに乗ることにした。

バス停で待つ。発車時刻になってもバスは来ない。博多が始発で、渋滞にまきこまれて来るのでいつも遅れているのかもしれない。

大型自動車

ときおりタンクローリーがやってくる。タンクローリーの基地みたいなところがこのへんにあるのかもしれない。

西戸崎〜志賀島

ようやくバスがやってきた。

バスはかなり乗り降りがある。このへんに学校があるらしく、高校生風の人も乗ってきて、志賀島まで行かないうちに降りていく。

バスは住宅がまばらにある土地を通ってきたが、そのうち香椎線が走ってきたところと同じく、また陸地が細くなった。

ふたたび右に玄界灘、左に博多湾を見て進み、多少大きめの島が前方に見えるようになった時に、まもなく志賀島、というアナウンスが聞こえてきた。

バスは志賀島が終点というわけではなく、その先の国民宿舎というところが終点なので、何人かお客が残っている中、「西戸崎→志賀島」のバスの周遊乗車券を運転手さんに渡してバスを降りた。

ここは志賀島の入り口であった。もうちょっと進んでもよかったかもしれないが、こんなもんで雰囲気は伝わってくるからいいだろう。

志賀島〜西戸崎

あたりをぶらぶらしてみた。もう夕方であるが、博多湾側にも玄界灘側にも人がいて、いいところだなあと感じる。

海

玄界灘側にはみやげ物屋がある。まだ5月だし、夏休みなどのハイシーズンはもっと混雑しそうである。
博多湾側にはボートがたくさん置かれている。まるで逗子の海岸のようだ。

西戸崎経由のバスの時刻になったので乗る。お客はさっきと一緒で、あまりいない。

さっきと同じく、志賀島から西戸崎までのいろいろな所でお客が乗り降りし、ふたたび西戸崎に戻ってきた。
「志賀島→西戸崎」のバスの周遊乗車券を運転手さんにわたしてバスを降りた。

西戸崎〜香椎

観光帰りの人がいるようだが、ものすごく混雑するというほどのこともない。しばらく待って、「西戸崎→八幡」の周遊乗車券を見せてホームに入り、ディーゼル車に乗車する。発車だ。

また海の中道に停車し、お客を乗せてまた進む。

気がつくと信号場に停車しており、交換のディーゼル車がすれ違っていく。そういえばさっきの海の中道は1面1線のホームで、ディーゼル車を降りるとすぐ外に出られた。

もしかしたら、駅が1面1線で列車交換は信号場で行うというスタイルは、お客が階段を昇り降りしたりしなくて済むことを考えると、意外と便利なのかもしれないなあ、と思う。

そして香椎に戻ってきた。もうちょっと夕暮れまでは時間がある。

このへんで乗っていない路線はたくさんあるが、あした帆柱(ほばしら)ケーブルに乗って、筑豊電鉄に乗って、平成筑豊鉄道の方に乗りに行くことを考えると、今日のうちに筑豊本線の折尾〜若松間、西鉄北九州線、北九州高速鉄道(小倉のモノレール)には乗っておきたい。

なんでも戸畑と若松の間には渡し船があるとのことなので、乗ってみたいと思い、鹿児島本線のホームに行って戸畑に進むことにした。

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鹿児島本線その2

香椎〜戸畑

階段を昇って降りて香椎(かしい)駅の門司港方面ホームにやってきた。

夕方の電車なので、多少は混雑しているが、それでも大阪や東京とは比べものにならないくらいしかお客が乗っていない快速に乗り、戸畑へと向かう。

夕方

もし車掌がやってきたら八幡から戸畑まで200円の運賃を払ってきっぷを作ってもらおうと思っていたのだが、たいていこういう時は車掌はやって来ないものである。

折尾を過ぎ、八幡も過ぎた。九州は日が暮れるのが遅いので、もうすぐ6時だがまだまだ明るい。

戸畑に着いた。ここで降りた。改札に向かう。

駅員さんに「西戸崎→八幡」の周遊乗車券と200円を出した。駅員さんはぼくが手に持っていた「周遊券」の袋を見て、西戸崎から戸畑までの運賃を計算することは不要、とわかってくれて、そのまま改札を出ることができた。

戸畑駅〜戸畑の港

さて、池袋で買った地図を取り出して港を探すと、そんなに複雑ではなく、駅から海岸に続く道をまっすぐ進むと港に行けるようである。とりあえず歩いた。

目の前に大きな橋が見えてきた。若戸大橋というらしい。自動車専用の道路であるので、自転車や歩行者用の船が残されているわけである。

さらに進むと川の岸のようだ。つきあたりになんだか小さな小屋のような建物が見えてきた。

そこにあったのは小さな小さな港だった。だいたいの勝手はわかっている。なぜならぼくが去年の12月に乗った富山県の加越能(かえつのう)鉄道の越ノ潟駅のそばから出ている無料の渡し船の港に雰囲気が似ていたからである。

富山の船はあまりお客もいなかったが、こちらの船はけっこうお客がいる。高校生が多いが、年輩の人もいる。

乗船

自動券売機がある。運賃は50円だ。

乗船券を買うと船の案内の時刻になり、行列のうしろに並んで船の中に入った。外を見渡すと、向こう岸はかなり離れた所にある。なるほど、これでは橋はかけにくいだろうなあ、と思った。まあ、全国各地にこういう渡し船は残されているわけだし、風情(ふぜい)があっていいんじゃないかなあ、と思う。

多少お客も乗ったころ、乗船口が閉じられ、船のエンジンが動き出した。

そして船は戸畑の港を離れていった。

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筑豊本線

若松の港〜若松駅

戸畑駅の近くの港から乗ってきた、川を渡る渡し船は、無事若松の港に到着した。

池袋で買っておいた八幡近辺の2万5千分の1の地図を見ながら若松駅に向かう。
けっこう距離がある。

なんとか到着した若松駅は、住宅街の中の小さな駅だった。

若松駅周辺

次の折尾行きは午後7時なので、まずは駅をながめてみた。

車庫のような場所はあるが、2〜3本あいたレールがあるくらいである。今はそこにも列車はいない。

特に駅をながめてもおもしろくなさそうだったので、駅のまわりを歩いてみたが、やっぱりそれほどおもしろいものもない。駅で待つことにした。

若松〜折尾

折尾から来たディーゼル車がやってきて、お客がたくさん降りていった。
こんな時刻にどんな用事があるのかわからないが、折尾行きもそこそこお客がいる。若い人が多い。

ディーゼル車は発車したが、若松〜折尾間はやっぱり住宅街である。
そのうち「次は折尾です。」のアナウンスの後で前方に鹿児島本線が見えてきて、その下に入り、ディーゼル車は折尾に到着した。

さあ、改札を出て西鉄北九州線に向かおう。

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西鉄北九州線

折尾駅

若松から来たディーゼル車を降りてJR折尾駅の改札を出た。さて、西鉄北九州線はどこにあるのだろう。

駅のそばにあるデパートに入り、階段を昇った。すると上の方の階にホームがあった。こういう駅は東京近郊で良く見られるが、九州でもあるとは珍しい。

きっぷ売場はなく、車内で買う方式らしい。まずは乗ってみる。

ロングシートが多少埋まるくらいの客の数である。若い女性がけっこう多い。

発車

電車は発車し、まず数時間前に通った黒崎から筑豊本線に入る渡り線をまたぎ越した。

まずはやってきた車掌からきっぷを買った。

かなり細かく駅に停まっていく。乗り降りもかなりある。鹿児島本線には折尾と黒崎の間に駅はないが、住宅は多く、このへんに住んでいる人たちが使うのだろう。

しばらくそのまま進んでいく。駅にたくさん停まるのでスピードはかなりゆっくりしている。

それにしてもこのレールはぴったりと鹿児島本線と併走している。たとえばJRと併走する電車でも、広島の市電のように時間が2倍かかっても運賃が安ければお客は乗ると思う。しかしここはそうではない。

だから近いうちにここも筑豊電鉄が乗り入れない区間が廃止されるとのことだ。かわりに鹿児島本線に駅ができるという話だけど、はたしてどうなるのだろうか。

到着

気がつくとすぐうしろに別の電車がぴったりとくっついている。よくよく考えたら筑豊直方から来た電車である。

じきに終点、黒崎駅前に到着した。きっぷを渡して降りた。
うしろの電車は筑豊電鉄用のホームがあって、そっちに到着した。

黒崎は西鉄の駅がJRの駅のすぐそばにあって、とても便利である。JR黒崎駅に進んだ。

もう午後8時である。でも小倉のモノレールには今日中に乗っておきたいと思い、小倉まできっぷを買って改札を入り、今日何度目かの鹿児島本線に乗った。

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北九州高速鉄道

JR〜モノレール

黒崎から乗ってきた鹿児島本線の電車は、なにごともなく小倉駅に到着した。ここで降りる。
小倉の駅を降りると、モノレールへの案内があった。案内を見ただけではどこにあるかわからない。

案内に沿って進んだが、そのうち案内を見失った。はたしてモノレールはどこにあるのだろう。

駅前の大通りに出た。右手に交差点があるようだ。なんとなく右の方にあるような気がした。
なぜ右にあると思ったのか、あとで思い返してみると、小倉の駅前の様子が天王寺と阿部野橋の間の通りにそっくりだった(ような気がする)ことが原因らしい。

去年5月に天王寺で降りた時は、阪堺電車の天王寺駅前駅をさがして右に進んだら本当に駅が見つかったものだが、ここでもなんとなく右にモノレールの駅があるような気がして進んでみた。

なんだかハリボテのような建造物が見えた。なんとなくあのハリボテのような建造物に沿っていけばモノレールの駅に到着できるような気がして進んでみた。交差点に到着。ハリボテは交差点の真上を陣取っている。

小倉〜企救丘

ハリボテに沿って進むと「←モノレール小倉駅」の案内があった。そして昇り階段があり、昇るとどうやら駅のようだった。

ハリボテはJRの小倉駅の方向に向かって延びていた。どういうことなのかわからないが、まずは予定通りモノレールで終点の企救丘(きくがおか)まで進む必要がある。きっぷを買って改札に入り、ホームに進んだ。

まずは今日泊まるホテルに電話して、ちょっと遅くなると言っておく。そしてホテル最寄り駅(西小倉)からホテルまでの道筋を聞いておく。ぼくはたいていホテルに泊まる日はこうしている。

モノレールがやってきた。新しいだけあってピッカピカのモノレール車両だ。それほど混雑もしていない。

乗り込んで発車だ。もちろん道路からちょっと高い場所を通り過ぎていくので、小倉市街の明かりがとてもきれいな路線である。モノレールは細かく細かく駅に停車してお客をおろしていく。

企救丘が近づくと、だんだん明かりが少なくなってきた。お客もあまりいなくなった。

企救丘〜志井公園

そして終点、企救丘だ。

モノレールを降り、きっぷを自動改札に通して出た。さて、これから日田彦山線の志井公園(しいこうえん)駅に行かなくてはいけない。

たぶんこっちだろうと歩き始めた。

こんな午後9時過ぎだというのに、人がたくさん出入りしている建物の前を通った。

どうやら宗教団体の建物らしい。今日は土曜日である。がんばっているらしい。
そのままてくてく歩いて、なんとか志井公園駅に着いた。

補足

なお、あとで鉄道の雑誌を見て、今回乗った小倉駅が仮駅で、近いうちにJRの小倉駅の中のモノレールの駅まで延長されるということがわかった。

すなわちハリボテのようなものは建設中の延長区間だったのである。
あとでまた乗りに行こうと思った。

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日田彦山線

志井公園〜西小倉

志井公園(しいこうえん)の駅は、いかにもモノレールに合わせて急造されたという感じの駅で、入り口にアイスクリームの自動販売機しかなく、階段をおりるとちょっと長めのホームがある無人駅であった。

降りてしばらくすると、ホームの長さに見合った長い編成のディーゼル車がやってきた。

あまりお客もなく、とことこと暗い中をディーゼル車は進んでいく。

車掌がやってきたので西小倉までと言うと、ハンディプリンタでガリガリと、ぼくが大好きなペラペラの補助券が渡された。お金を払って受け取った。西小倉までの短い所持時間であるが、感触を楽しんでおこう。

暗い中を進む。城野(じょうの)から日豊本線だ。けっこう家並みが増えてきた。そして西小倉が近づくと鹿児島本線の、本数の多いレールが見えてきた。新幹線の高架も見える。そして西小倉着。ここで降りた。

補助券を渡して改札を出た。

就寝

残念ながら、この日泊まったホテルの名前を忘れてしまった。西小倉の駅前にはセブンイレブンがあったので、ちょっと買い物をしてリュックに入れていく。

小倉のモノレールに乗った時に電話で聞いておいた通りの道筋を歩いてホテルに到着だ。

もう遅いので、ホテルにチェックインしてぐっすり眠った。

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