JavaScriptを有効にしてください

行ったところページ

99.芸備線・福塩線・瀬戸大橋・津山線

説明

背景

1994年はぼくの旅行生活のはじまりの年でした。2月の北海道旅行、4月の首都圏近郊の旅行、6月の五能線、7月から8月にかけての水郡線や中央西線の旅行、9月の米坂線、そしてはじめての姫路から渋谷まで乗った高速バス。

10月にも花輪線や男鹿線、越後線や弥彦線を旅行しました。

さて、12月は、9月にしたような高速バスの旅行をもう1回してみたいと思いました。

9月には大垣行き夜行で名古屋に行き、そこからいろいろめぐって姫路に行き、姫路から渋谷まで高速バスで帰ってくる旅行をしましたが、今度は姫路よりもっと遠くに高速バスで行き、JR線をいろいろめぐって姫路まで行き、帰る旅行がしてみたいと思いました。

計画

このときぼくは以下のようなばくぜんとしたプランを考えていました。

・山陰ワイド周遊券で行ける場所は最後にとっておいて、ワイド周遊券で行けない場所を青春18きっぷでめぐろう

そんなプランを頭の中に入れ、時刻表を照らし合わせて姫路から逆算したところ、高速バス・ニューブリーズ号で広島県の三次(みよし)駅まで行き、以下の路線に乗る計画が思い浮かびました。

・福塩線
・吉備線
・津山線
・姫新線

そして姫路からは9月にも乗った渋谷行きのバスに乗るのです。

9月に姫路から渋谷までのバス乗車券を買った時のように、時刻表の東京→広島のニューブリーズ号の所に書いてある電話番号に電話したところ、このバスは電話では予約できない、みどりの窓口で直接買う必要があると言われてしまいました。そんなわけである日の夜、会社もより駅のみどりの窓口に向かいました。

修正1

しかし会社もより駅のみどりの窓口で東京から三次までのバス乗車券を発券してもらおうとしたら、三次まできっぷを出そうとしてもどうしてもエラーになってしまう、広島なら出せると言われてしまいました。どうも窓口の人が未熟で、機械の操作のしかたがわからないようでした。

しかたがないので広島まで買うことにしました。

広島から芸備線で三次に向かうことにすると、どうやらその日のうちに芸備→福塩→吉備→津山→姫新経由で姫路に着くことはできなさそうです。

しかたがないので最後の姫新線をまたの機会に乗ることにして、津山から京浜急行バスのルブラン号で浜松町に行くことにしました。おそらく品川のバスターミナルまで行けばきっぷが買えると思いました。

高速バスの品川ターミナルにある日の昼1時ごろ行ったら、2時までお休みだと書いてあったので、近くをぶらぶら散歩して2時を待ち、ターミナルに戻って帰りの高速バス・ルブラン号を津山から浜松町まで買いました。もちろん手数料なしです。

なんと手数料込みの姫路発渋谷行きのミルキーウェイ号より運賃が安くなってしまいました。

修正2

とりあえずこうやって無事行き帰りの高速バスが予約できたので、最後の準備として青春18きっぷを買いました。

そのうち2回分を実家の家族に郵便で送り、3回分のうち1回を高速バス旅行にあてることにしました。

残り2回は天皇誕生日近辺の3連休に使うことにして、まずは広島行きニューブリーズ号に乗ることにして、念のため前日は休暇を取って会社の飲み会も休んでしまいました。そして日も暮れて東京駅に行き、高速バス乗り場で広島行きニューブリーズ号を待ったのです。

補足1

なお、結局ぼくは山陰ワイド周遊券を使うことはなく、山陰ワイド周遊券の自由周遊区間ものちに青春18きっぷなどを使って旅行してしまいました。そしてごぞんじのとおり山陰ワイド周遊券は廃止されてしまったのです。

また、2009年ごろまではニューブリーズは三次を経由していたのですが、2010年になるとニューブリーズは三次を経由しなくなってしまいました。大阪〜広島の夜行便も経由しないため、2011年現在、三次に朝到着する夜行バスは名古屋〜広島の高速バス「広島ドリーム名古屋号」のみとなってしまいました(なお、2010年の時点ではこのバスは「セレナーデ」という名称だった)。

補足2

さらに、ルブラン号は京浜急行バスが運行をやめてしまったこともあり、浜松町および品川には行かなくなり、東京駅八重洲口近辺行きになってしまいました。

高速バス・東京〜広島

改札〜八重洲

午後7時。東京駅。

ぼくは八重洲口の改札を出て、右に曲がり、南へ南へと進み、長距離バス乗り場をめざした。

場所そのものは以前水戸までバスに乗った時に行ったことがあったので知っていた。

また長距離バス乗り場にやってきた。人がたくさんいて、おもにつくばや水戸など東に進むバスがどんどん発車していく場所である。バスはみな、青い帯とつばめマークのあるJRのバスであった。

まだ広島行き「ニューブリーズ号」が出るまで時間があるらしいので、長距離バス乗り場の所にある喫茶店でカレーを食べることにした。カレーを食べて過ごす。

カレーを食べ終わるとしばらく待っていた。だんだん大きな荷物を持った人が増えてきた。
どうやらぼくと同じ広島に向かう人や、それ以外の地方都市に夜行バスで向かう人たちらしかった。彼らに混じってビジネスマンらしいスーツを着た、荷物の少ない人がつくばや水戸などの都市へと向かうバスに乗り込んでいく。

発車

時間が過ぎ、午後8時ちょっと前になった。

すると今まで発車してきたJRのバスとは模様がいっぷう異なるバスがやってきた。
どうやら小田急のバスと、広島電鉄のバスらしい。

さらに案内を聞くと、ぼくが今日乗るバスは広島電鉄のバスだということである。

3ヶ月前に乗った姫路発渋谷行きバスは1台だけの運行だったが、さすがに広島ともなるとお客が多いから、バスが4台も必要になるのだろう。そしていつもいろいろな会社のバスが混合で運行するのだろう。

ぼくの乗るバスの順番がやってくると、列に並び、ぼくの順番がやってくるとチケットを渡してバスに乗り込んだ。

指定された席にすわってシートベルトをしめた。

なにごともなく、そのまま発車する。

映画

発車すると南に進み、右に曲がって山手線のガードをくぐって進む。いろいろ進んで霞ヶ関の入口から首都高速に入った。そしてそのまま進み、渋谷駅のところを過ぎていった。

バス

しばらくは渋滞していたが、神奈川県に入ってしばらくしたところでスピードが上がりだす。

車内のビデオで高速バス車内の設備の案内がある。いつものようにぼーっとして見ている。

そのうち映画が始まった。映画の音声はイヤホンで聴けばいいらしい。興味がない人は別の音楽を聴くこともできるらしい。
ぼくはどちらかと言うと外の景色とかながめている方が好きなので、映画はそこそこに見て、おもにとなりを追い抜いていく車を見ながらすごした。

そうやって約2時間が過ぎる。

富士川

バスはサービスエリアで停車した。富士川サービスエリアというところである。

サービスエリアとか停車すると、5年前、3年前に会社の人間と行ったスキー旅行とかを思い出す。小学校から高校までの学校のバス旅行とかでドライブインに停まった時のことも思い出す。なかなかバス旅行も鉄道とは違ったおもむきがあっておもしろいなあと思う。

トイレに行ってバスに戻る。

ここで消灯である。
夜行バスというものは夜になると窓ガラスの所にあるカーテンがしめられ、電灯も消えて文字どおり真っ暗になるのである。

しばらくカーテンをめくって外を見て、東名高速を通る車を見ていたが、やがて眠りに落ちていった。

起床

目が覚めた。夜が明け始めているようである。

交代運転手が車内アナウンスで、まもなく三次(みよし)駅に停車すると言っている。あれ、そんな時間かな。
時計を見るともう6時を過ぎている。

やがてバスは三次駅前らしい場所で停車した。何人かのお客が降りていった。
お客が降り終わるとまた発車である。またちょっと眠ることにする。

そのうち前方ディスプレイで広島近辺の観光案内が始まった。なかなかおもしろい。

3ヶ月前に乗った姫路発渋谷行きのバスでも東京の案内をやっていたが、やっぱり東京と違って地方の案内は知らない場所の案内なのでおもしろいと思う。

案内が済んでしばらくするとバスは高速ターミナルに到着した。さらにお客が降りていく。
バスは市街地らしい場所を進んでいく。

広島駅

そしてバスは終点、広島駅に到着した。

今日も無事にバスに乗ることができた。今日は夜までに岡山県の津山まで行き、また夜行バスに乗る必要があるがなんとかなりそうだなあと思った。

かなり定刻より早く到着したので、1本早い三次行きに間に合いそうだと考えた。

ぼくはバスを降り、青春18きっぷに日付を入れてもらうため、窓口をさがすことにした。

↑ PAGE TOP

芸備線

広島駅

東京から乗ってきた夜行バス「ニューブリーズ号」を広島駅新幹線口で降りた。

ぼくも含めてバスから降りた客がゾロゾロと広島駅に向かっていく。

さて、この冬使い始めになる青春18きっぷの1枚目に日付を入れなければならない。
窓口に行こう。

「すいません日付入れてください」
「改札で入れてもらってください」

今までいつも青春18きっぷを使う時は、改札に行く前に窓口で日付を入れてもらっていたが、広島ではどうやら改札で日付を入れるルールになっているらしい。

とりあえず改札に向かった。

改札に青春18きっぷを渡すと日付が入れられ、はさみが入れられた。これで使い始めとなる。

高校生

通路を進み、階段を昇っておりて芸備線の三次(みよし)駅方面の列車へと向かう。
ニューブリーズ号が8時ちょうどでなくかなり前に到着したので、芸備線は8時前の列車に乗ることができた。これで今日は予定より多少多めに列車に乗れそうだ。

適当な車両に乗る。ボックス席の列車だ。

乗ってしばらくするとあとからあとから男子高校生が乗ってきて、満員になった。
どうやら通学列車のようだ。男子しかいないので男子校なのだろう。
そのまま発車時刻が来て、ディーゼル車は発車した。

市街地を数駅列車は進んだ。

そしてある駅で、高校生がゾロゾロと降りていった。
広島駅から数駅離れた駅が高校のもより駅らしい。

学生たち

意外と高校が地域の中央の駅からちょっと離れた駅がもより駅というのは便利なような気がした。
なにしろ高校の校舎を駅のすぐ近くに建てられるからである。
ぼくの高校時代は自転車を2台用意して自宅から自宅もより駅、高校もより駅から高校と自転車通学だったからかなり苦労したと思う。うらやましいなと思いながら高校生を見送った。

切り離し

あとは閑散としたまま列車は進む。
何駅か進むと、ぼくが乗っているこの車両は切り離されますというアナウンスがあった。

しかたがないので三次まで行く車両に行くと、おじさんおばさんがたくさんいた。
でも空いている席はあったのですわれた。そしてまた発車だ。

列車は山にはさまれた平地を進んでいく。たぶん川のそばだろうが、川は見えない。
だんだん山の中に入っていった。

こうして2時間ほど列車にゆられ、列車は三次に到着した。ここで福塩(ふくえん)線の列車に乗り換えである。

福塩線の列車までは1時間時間があるので、ぼくはいったん青春18きっぷを見せて三次駅の外に出ることにした。

↑ PAGE TOP

福塩線その1

薬局

広島から乗ってきたディーゼル車を三次(みよし)で降り、駅前に出た。

これから乗る福塩(ふくえん)線の府中(ふちゅう)行きのディーゼル車までには1時間の余裕がある。
だからどこか食堂でもあれば寄っていきたいところだ。

なんだかのどがガラガラする。のどの薬でもほしいところだ。幸い三次駅前には薬局があった。
ここで薬でも買っていこう。ぼくは薬局に入った。

「あの、のどの薬はありますか。」
店員「南天のど飴はいかがですか?」
「じゃあそれにします。」

薬局

薬局の女性の店員にすすめられたとおり、ぼくは南天のど飴を買った。なめてみた。ちょっとすっきりした。

なにしろ、夜行バスに東京から広島まで12時間もゆられてきたのである。そしてなんとなく熱っぽいような気もする。
だからぼくの旅行はときどき薬のお世話になるのである。まして今は12月、寒い季節である。

朝食

さて、薬局のある通りを右に進んでみることにした。

カンは当たり、ファミリーレストランを見つけた。しかも10時開店だ。今は10時をちょっと過ぎたところである。ぼくはファミリーレストランに入り、モーニングセットを注文した。

しばらくするとモーニングセットがやってくる。

モーニングセット

食べた。そしてコーヒーを飲んで一息ついた。
府中行き列車までもう少し時間があるが、もう駅で待った方がいいだろうと思い、レストランを出て三次駅へと戻った。

三次〜府中

青春18きっぷを見せて改札を入り、府中行きのディーゼル車を探す。

あったあった。広島から三次まで乗ってきたディーゼル車と同じようなどことなく古びたディーゼル車だ。

乗ってしばらく待つが、ほとんどぼくの他にはお客は乗ってこない。さすがに午前11時はあまりお客が来ない時間帯なのだろう。

そして発車である。

しばらくは広島〜三次間と同じような平野みたいな盆地みたいな風景だったが、やがていかにも山の中、といった風景になってきた。

ところどころトンネルを通る。そしてわずかばかりの狭い畑がちょっと見える他は中くらいの高さの山が左右に迫っている。

そんな風景をずいぶん長いこと見ながらディーゼル車は進んでいく。

そしてようやく家並みが混雑してきたころ、ディーゼル車は終点、府中に到着した。

さすがにこういう駅だから、福山行きの電車はホームのすぐ向かいにあった。
乗り換える客も少なく、三次〜府中間はこんなんでやっていけるのかなあと思いながら、ぼくは福山行きの発車を待った。

↑ PAGE TOP

福塩線その2

旅行記本文

府中でディーゼル車から福山行きの電車に乗り換えた。

相変わらずお客は少ないが、沿線の家並みはしっかりしてきた。三次〜府中間のようにトンネルや畑ばかりということはない。

府中〜福山間は同じ盆地でも家並みの多い地形なのだろう。
広島県は広い平野が少ないので、山の近くでもみながんばって住んでいるようだ。

ところどころ畑は見えたが、盆地から平野に移り変わる景色を進んでいく。

徐々にお客が増えて来る。土曜のお昼なので学生も乗って来そうなものだが、通学とは逆方向らしく、主婦のお客の方が多いようである。そのまま福山へと電車は進んでいく。

そして電車は終点、福山へと到着した。さあ、これから倉敷へと進まなければならない。

もうお昼だが、山陽本線は列車数が多く、できるだけ進んでおきたいので、昼食は後でとることにして、岡山行きの電車をめざした。

↑ PAGE TOP

伯備線

旅行記本文

府中から乗ってきた福塩線の電車を福山で降り、岡山方面の電車の出るホームに向かった。
なんとか見つけた。どことなく古い感じの電車だ。乗ると発車する。

電車は進んでいく。山が北に迫っている。どことなく狭い平野である。すぐ南は海になっていそうな地形である。やっぱり岡山と広島の県境なのでこういう地形なのだろう。

そして電車は倉敷に着いた。ここで伯備線に乗り換えである。

伯備線のホームに行き、岡山からやってくる電車を待った。来た電車は浜松より東の東海道線で走っていそうな、よく見かける色の電車だった。

乗って進む。たちまち倉敷の都会を離れ、田舎の風景になった。

今まで乗った芸備線や福塩線もそうだが、日本のほとんどの場所は東京と違って山が多いので、全国各地にこういう田舎の、低い山が迫った地形があるのだろう。こうやって旅行を続けるとじきに慣れてしまうのかなあなどと思ってみた。

じきに電車は総社(そうじゃ)に着いた。ここで降りる。さあ、次は吉備(きび)線だ。
列車を探そうとぼくは伯備線の電車を降りて階段をかけ上がって行った。

↑ PAGE TOP

吉備線

旅行記本文

倉敷から乗ってきた電車を総社で降りた。そして階段を昇っておりて、吉備線のディーゼル車にやってきた。

どことなく古い、どこにでもありそうなディーゼル車である。お客は少ない。

乗ってすわってしばらく待つとディーゼル車は発車した。

高校生が通学するには遅いかもしれない午後の時間をディーゼル車は進んでいく。

岡山に近い場所なのでそれほど高い山も見えないものの、およそ都会とは遠い場所を進んでいく。

そんな車窓もじきにちょっとした都会へと移り変わっていく。列車はあまりお客も増えないまま岡山駅に到着した。

ぼくはここからどう旅行するか考えることにした。

↑ PAGE TOP

宇野線

岡山〜茶屋町

総社から乗ってきた吉備線のディーゼルカーを岡山駅で降りた。
ここのホームは岡山駅のはじっこにあるらしい。

さて、当初の予定ではここから津山線で津山に行くつもりだったが、広島で1本早い芸備線の列車に乗れたこともあって、まだ午後3時をちょっと過ぎたくらいで、もうちょっと回れる。どこがいいだろう。

そうだ、今後どういう乗り継ぎをしたとしても、宇野線が余ってしまいそうだ、だから宇野線に今行こうと考えた。時刻表によれば、とりあえず高松行きのマリンライナーで茶屋町(ちゃやまち)まで行って、そこから乗り換えて宇野まで行けばいいだろう。

階段を上がり、案内をたどって階段をおりて高松行き電車のホームにやってきた。
車内は2列席で、すでに席はいっぱいだった。まあいいか、茶屋町までだからと思い、乗って景色をながめる。じきにドアが閉まり、発車した。

発車すると電車は高架に上がっていく。下にはごみごみした岡山の市街が見える。なかなかおもしろい風景だ。

じきに小高い山の続く風景になる。

特急が通るだけあって、ゆれも少なく感じのいいレールである。
ひょっとしたら瀬戸大橋ができるのと同時に岡山〜茶屋町間のレールも整備したのかなあなどと思う。

お茶漬け

マリンライナーはすいすい進み、茶屋町に着いた。もう少し乗っていたい気もしたが、予定通りここで降りる。

茶屋町は高架のホームである。宇野に行くホームも高架である。
宇野行き電車が発車するまで時間がたっぷりあるので、いったん駅を出てみることにした。青春18きっぷを見せて改札を出た。

今日はまだ昼食を食べていない。なのにもうすぐ午後4時だ。コンビニでも駅前にあればありがたいのだが。

しかしコンビニはなかった。代わりに小僧ずしがあった。う〜ん、すしかあ〜。まあいいか、入ってみよう。

入ってみるとすしもあったが、カップのお茶漬けがあった。よし、これを買おうと思った。
ただしもちろんお湯はない。しかし、今は冬である。すぐそばに自動販売機があり、熱いお茶を売っていた。ぼくはお茶漬けにこの熱いお茶をかけることにしたのである。

お茶漬けのカップをあけ、お茶を買ってカップの中に入れた。そしてかきまぜる。
ズルズル食べる。うん、いい。腹が減っていたせいかもしれないが、お茶漬けはうまかった。

茶屋町〜宇野

よし、今日もあともうちょっとだ、がんばろうと思い、再び茶屋町の駅に向かっていった。

青春18きっぷを見せて宇野行きの電車の出るホームに向かった。さすがにほとんどお客はいない。
発車時刻になった。宇野行きが発車していく。まずは高架を降り、地上に出る。
岡山から茶屋町までの線路と違い、どことなくガタガタした感じのレールである。

茶屋町から宇野までの風景も、ほとんど集落らしい集落もなく、いなかの景色の中を進んでいく。

やっぱりこういう景色を見ると心が落ち着く。今日はこういう景色ばかりでいい旅行だなあと思った。

お客は増えず、終点宇野に着いた。

宇野駅周辺

なんだか妙に新しいホームである。そう言えば、なんでも宇高連絡船が運航されていたころは、宇野駅は青函連絡船があったころの青森駅や函館駅と同じで駅と港が一体化した構造だったが、連絡船がなくなったのでホームを移設した、とかいう話があったっけなあと思い出した。

そんなわけでホームが新しいのだろう。

青春18きっぷを見せて妙に静かなホームを降りた。ここは連絡船がなくなったらただの行き止まりの駅なんだろうなあと思った。

と思ったら駅のそばに船、船、船があった。そうだった。確か瀬戸大橋は、鉄道として通る分には普通の1キロあたりの運賃かけるキロ数で行けるが、車で行こうとするとものすごく高くて、フェリーに乗った方が安上がりだというのをどこかで聞いたことがある。

だから宇野駅の近くの港からも、JRは撤退したが、他の船の会社が高松までフェリーを運行しているのだ。今それが目の前にあるわけだ。

特に宇野に来てからどうするか予定を立てていなかったが、今からフェリーで高松に行って、快速マリンライナーで岡山に帰っても、十分予定した津山線に乗れることが時刻表でわかったので、ぼくはフェリーに乗ることにした。まずは適当なフェリーを選び、すぐに出航するか調べてみることにした。

↑ PAGE TOP

フェリー・宇野港〜高松港

旅行記本文

宇野駅を出て進むと港があった。時刻表には宇野〜高松のフェリーの会社は3つあったが、一番出航が早いのはどこだろうか?とりあえず港の1つに行ってみた。
運良くもうすぐ出航のようだ。乗船券を買いフェリーに乗る。川崎〜木更津や久里浜〜金谷のフェリーと同じで、車が出入りする口のわきからフェリーに入り、階段を上がって客室に入る。席にすわってしばらくすると出航である。

海

窓から景色をながめてみる。宇野港は湾になっているので、左右に陸地が見える。その陸地がうしろに動いていき、やがて遠くに小さな島が見えるだけになる。前方にも島が見える。フェリーは島のわきを通っていく。おだやかな瀬戸内海である。
右手遠くに瀬戸大橋が見える。けっこう離れているようだ。もっともこれから数時間後に通るのだが。
ぼくは航空機でしか四国に行ったことかないので、これが初めての瀬戸大橋となる。
甲板に出てみた。うしろに行ってみる。ずっと後方に向けて、波しぶきが遠く延びている。やっぱり船はいいなあと思う。また船室に戻る。

遠くかすんでいた四国の、高松の陸地がだんだんと近づいてくる。はじめての香川県である。もっとも広島県も岡山県も今日初めて来る土地なのだが。
フェリーは高松の港に入っていく。左右に高松の陸地が見える。ここは港が市街地のすぐそばにあるのだ。港からすぐJRに乗り換えられて便利である。そのうち接岸。案内に従いフェリーを出る。やはりほとんどのお客は自家用車のようだ。
これから通る瀬戸大橋ってどんなものかとわくわくしながら、ぼくはJRの高松駅に向かった。

補足1

なお、高松を発着とするフェリー会社は、行き先によって分かれている。それぞれ、

・土庄(とのしょう・小豆島):小豆島フェリー
・池田(小豆島):国際フェリー
・草壁(小豆島):内海フェリー(うちのみフェリー)
・坂手(小豆島):小豆島ジャンボフェリー
・直島:四国汽船
・鬼ヶ島、男木島:雌雄島海運
・神戸:ジャンボフェリー

となっている。時刻表では掲載されているページが異なるので巻頭の地図を見て探そう。

ほとんどのフェリーは高松駅の近くに港があるが、神戸行きのジャンボフェリー、および小豆島の坂手行きの小豆島ジャンボフェリーは、東に若干離れたところにある高松東港に発着する。
JR高松駅や高松築港の近くから港までの無料バスが出ているが、多少バス乗り場がわかりにくいところにあるので、琴平電鉄の志度線で沖松島まで行き、まっすぐ北に歩くのがわかりやすい。徒歩20〜30分程度で着ける。

時間がなくタクシーを使う場合、行き先を「たかまつひがしこう」と言わずに「ジャンボフェリー」と言った方がいい。
なんでも「たかまつひがしこう」と言った人で「高松東高校」に連れて行かれた人がいるとのことである。

補足2

瀬戸大橋開通後も長い間運航されていた高松〜宇野間のフェリーは、とうとう2019年12月に廃止されてしまった。瀬戸大橋の通行料金が安くなってきて、フェリー客が瀬戸大橋に移行したのが要因の一つと思われる。残念だが思い出を大切にしよう。

瀬戸内海の離島を経由して高松から宇野に行くことは可能であるらしい。乗りたい人は調べてほしい。

↑ PAGE TOP

瀬戸大橋線

高松〜坂出

宇野港から乗ってきたフェリーを降りた。すると港のすぐそばにJRの駅が見えた。
あれが高松駅らしい。

時刻表にもあるとおり、高松駅は行き止まりホームで、松山方面も高知方面も徳島方面も、まずは西に進んでいく。みんな国鉄の宇高フェリーがあったころのなごりなのだろう。

そんなわけで高松駅は独特の雰囲気の行き止まりホームになっている。
そんな高松駅を、おもしろいかっこうだなあと思いながらながめ、青春18きっぷを見せて改札を通った。ぼくのJR四国の乗り始めは高松駅になったわけである。

電光掲示板を見ながら岡山行きの列車をさがす。あったあった。列車の所に行き、乗ってみた。

2列席ばかりの列車である。どうやら指定席もあるらしい。今いるところが自由席であることを確認してすわった。夕刻の岡山行きなので、それほどお客がたくさんいるわけでもない。

発車時刻が来て、そのマリンライナーという快速は岡山に向けて発車した。

しばらくは左に山、右にはまちなみという風景を見ながら進んでいく。

坂出〜岡山

マリンライナーは四国最後の駅、坂出に着いた。ホームが2つある普通の駅である。あまりお客は降りず、乗っても来ない。そしてまた発車である。

電車は坂出を過ぎてしばらくすると、右にカーブして行った。そして左から来るレールと合流し、北の方に進んでいく。とは言うもののもうすっかり暗くなっているので景色はあまり見えない。

そのうちレールの音が橋の上のゴーッといった感じの音になった。

左右を見ると暗い瀬戸内海に、若干の船のあかりが見える。もうすっかり暗くなってはいるが、はじめて渡る瀬戸大橋になんとなく感動しながら進んでいく。

じきに岡山県側の陸地に入り、あとは暗い中を進んでいく。

児島(こじま)駅に着いた。高架の立派な駅である。どうやら車掌が交代するらしく、しばらく停車した。そしてまた発車である。

しばらく眠るとマリンライナーは、じきに終点の岡山駅に到着した。

数時間ぶりに岡山に戻ってきた。もう6時を過ぎており、あとは津山まで津山線に乗れば今日の青春18きっぷ旅行は完了である。食事でもしようと駅のうどん屋でうどんを食べることにした。

↑ PAGE TOP

津山線

岡山〜津山

岡山駅のうどん屋でうどんを食べた。今日もこうやって終わっていく。

食べ終わるとぼくは津山線のホームに向かった。数時間前に通った吉備線のホームと同じホームであった。
岡山駅に乗り入れるディーゼル路線は津山線と吉備線だけなのでホームをまとめているのだろう。

津山線のディーゼル車もどことなく古い感じのディーゼル車であった。乗ってすわる。列車の間隔がかなり空いているわりにはお客は少なかった。

そして発車。すぐに都会を離れてディーゼル車の車窓は暗闇へと変わっていく。

景色も見えず、暗い中をぼんやりとディーゼル車は進んでいく。

そしてディーゼル車は終点、津山に着いた。この冬の1枚目の青春18きっぷはこうやって使い終えたわけである。

もう今日は青春18きっぷを使わないので、改札に18きっぷの1枚目を渡して出た。

夕食その2

さて、品川行きの高速バス「ルブラン号」が出るバスターミナルはどこだろう。

駅を出て道を渡ると、それらしい場所が見えてきた。
見回すと確かに「新宿」とか「品川」とか言った案内が見えてきた。どうやら新宿行きの高速バスと同じターミナルから出るらしい。
よし、これで場所はわかったと思った。あとはまだ発車時刻まで1時間以上あるので散歩しようと考えた。

それにしても暗い街である。もう夜9時を過ぎているから暗いのだろうけど、地方都市ってこんなに暗いものかなあと思う。
それでもこれと行った方向に向けて歩き出すと、川に突き当たった。

突き当たりじゃ仕方ないなあと思いながらさらに歩き回ると、ラーメン屋を見つけた。ぼくは岡山でうどんを食べていることも忘れてここでラーメンを食べることにした。

ラーメン

ラーメン屋に入り、注文する。店内はラジオがかかっている。いつもこの時間はテレビを見ているので、ラジオは新鮮である。

バス

ラーメンを食べ終わるとバスターミナルに戻る。待合室で待っているとお客がどんどんやってきた。
そこに中年の男がやってきて、1人1人のバス乗車券を見て回った。どうもこの人は案内人らしい。

案内人は今日やってくるバスを把握していて、誰がどのバスに乗ればいいか案内する役目なのだろう。
夜行バスに乗るのは3回目のぼくは、全国の停留所にこういう人がいるのかなあと思った。

きっぷ買っていないんだけど、という人が現れた。しかし今日も満席であると案内人は言った。
さて、どうなったのだろう。キャンセルが出ていればいいのだが、と思っているうちにどやどやとバスが何台もやってきた。

案内人に言われたとおりだと、ぼくが乗るのは「両備(りょうび)バス」らしい。まだ来ていないらしいのでしばらく待った。そうこうしているうちにも案内人は次々とお客を案内している。

やっと両備バスがやってきて、停車した。行列ができたのでうしろに並び、順番が来ると交代運転手にバス乗車券を渡して乗り込んだ。

車内は既に暗かった。なんと、3列シートの2列目と3列目の間にカーテンが敷かれている。
これだとかなり車内の暗さが保ててよく眠れそうだなあと思った。

自分の座席についてシートベルトをしめる。さあ、ここから浜松町に向けて出発だ。ドアが閉まり、バスは発車した。

↑ PAGE TOP

高速バス・津山〜浜松町

就寝前

品川行き夜行バス「ルブラン」号は、無事津山駅前を発車した。

なにしろこのバスは津山が夜の最終停留所であるため、バスの案内もそこそこにいきなり消灯になってしまった。

今日は1日いろいろ列車に乗ってとても疲れているのですぐに眠ってしまった。

ニュース

気がつくと朝になっていた。

カーテンを開ける音がした。窓から景色を見ると、どうやら都内に入っていて、新玉川線沿線のあたりの風景らしい。

9月に姫路発渋谷行き「ミルキーウェイ」に乗った時は渋谷到着直前まで寝ていて、起きたら渋谷駅東口だったので、こういう景色は新鮮で良い。

バス前方のディスプレイにはニュースが映っていた。

なんだか新宿駅のそばで火事があって、山手線と中央線が止まっている、復旧の見込みは立っていないというニュースをやっていた。

ちょっと大変なニュースだが、今のぼくはなんとか浜松町から自宅まで山手線や中央線を使わなくても帰ることができる位置にあったのでまあいいかと思うことにした。

そのまますいすいと都心へと向かっていく。

そして渋谷へと入っていく。そして首都高を進むと、三叉路で右に曲がった。そのまま進み、東京タワーのそばを通って芝公園のところで首都高を降りた。

浜松町

それから東に進み、北に曲がり、また東に曲がって浜松町駅にやってきた。

そしてバスは貿易センタービルに入っていき、ぐるぐる曲がって停留所に着いた。

バスを降りた。今回の旅行もなんとか終わった。

今回の旅行は、まだほとんど乗ったことのない本州西部の旅行だった。まだまだ全国で乗っていない場所はたくさんあるので、これからも機会があれば夜行バスの旅をしてみたいが、ちょっと疲れるのが欠点なので、この冬の残りの旅は近場にしてみようと思った。

まずは自宅に帰って眠ろうと思い、貿易センタービルを出た。今日1日はぐっすり眠って2連続夜行の疲れを取る必要があるな、と思った。

↑ PAGE TOP

関連リンク

↑ PAGE TOP

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル