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130.九州完全乗車旅行

説明

雑誌に紹介されていたスカイマークエアラインズという航空会社の羽田〜福岡間13700円に乗ってみたくなり、1998年10月に乗ってみました。まあまあ使える路線ということがわかり、1999年4月に16000円に値上げするということがわかったため、それまでの間にもう1、2回くらい乗ってみようと考えました。

それとは別にちょっとした疑問が生まれました。

・スカイマークエアラインズで周遊きっぷは作れないか?

いろいろ調べた結果、クレジットカードを使った予約では無理だが、コンビニで支払って、その予約券を使えばOKということがわかり、某所で周遊きっぷを作ってもらいました。

計画としては、
・建国記念日がらみで1日休暇を取って4連休とする
・行きは食堂車つきのグランドひかりに乗る
・帰りはスカイマークエアラインズの最終便を使う
・宿泊は、1回だけドリームにちりんを使い、残りは西鹿児島と大分で宿泊する
・この旅行と1999年1月の旅行で九州の乗っていないJR、市電、ケーブルカーにすべて乗る
というものにしました。

こうして建国記念日の午前中、東京駅に向かいました。

なお、スカイマークエアラインズが16000円になったのは結局5月になりました。

山陽新幹線

昼食1

東京駅にやってきた。今は昼前の午前11時半である。

なぜこんな時間に来たのかと言うと、食堂車が営業しているひかりが東京午後1時発以降にしかないからである。1999年時点での食堂車つきひかりは1日に数えるほどになっていたのである。今日は小倉までひかりに乗るのだ。

なぜ航空機でなくひかりかと言うと、今日から4日間使う周遊きっぷ九州ゾーンは、片道JRで九州に行く必要があるからである。

ひとまずぼくは中央線ホームの下にある「あじさい」というそば屋で「カレーとせいろ」というメニューを選んで昼食にする。今日もそばとカレーがうまい。

ここのあじさいはこの東京駅中央線高架ホームが完成した時から営業しているのだが、一番列車が発車する1時間前に来てそばを食べたことを思い出す。

新幹線ホーム

食べ終わってもまだ12時で、1時間ほど時間があるが、何もすることがないので新幹線ホームに行くことにする。周遊きっぷのゆき券(東京都区内→北九州市内)と特急券(東京→小倉)を見せて中間改札を通り、ホームに行く。旅行に出かけるには中途半端な時刻らしく、ホームは閑散としている。

ホームに500系のぞみが見える。おととしはまだ新大阪から西でしか乗れないためわざわざ新大阪に行って乗ったものだが、今は6往復東京まで来ている。そのうちもっと増えるかもしれない。今ではむしろ食堂車つきひかりの方が貴重になっているのだ。そのまま待つ。のぞみが去っていく。

30分以上待って、ようやくひかりがやってきた。自分の指定席に行く。
今日は建国記念日である。週休2日制だと火・水・木の祝日は旅行しづらいのだろう。ビジネスの客も少ないようで、このひかりは発車時刻になってもあまりお客が来ないまま発車である。

昼食2

車内販売がやってきた。なんとぼくが5〜6年前に好きだったアイドルの水野あおいちゃんに似た女性である。車内販売にもこんなにかわいい女性がいるんだなあと思った。車内販売の制服がよく似合っていたので、きっと水野あおいちゃんがこの制服を着ても似合うんだろうなあと思った。

音楽

残念ながら今日ぼくは食堂車で食事するという目的があるので車内販売で食べ物を買うわけにはいかないのである。そのまま水野あおいちゃんに似た女性を見送った。
浜松が近づいたところで食堂車に行くことにした。ぼくが乗っていた指定席からは離れていたが、なんとか到着した。2階建て車両の2階である。

以前さくらに乗った時、営業休止していた食堂車に行ったことがあるが、あそこにあったテーブルにテーブルクロスをかけたような感じの席がひかりの食堂車にあったのである。メニューを見て、ハンバーグステーキをたのむ。

食堂

以前はほとんどの新幹線に食堂車があったはずなのに、今では数えるほどしか営業しなくなってしまった。
列車の食堂車はおせじにも値段が安いとは言えないものだが、いつまでも食べられるというわけではなく、そのうち廃止されてしまうと思うと惜しくなる。ひかりの食堂車は今日が初めてだ。なくなる前に来ることができて良かったなあと思う。

ハンバーグステーキがやってきた。流れる景色を見ながら食べる。値段どおりのうまい味である。食べ終わるとちょうど名古屋に着くところだった。駅前のビルのディスプレイが見える。とりあえず席に戻ろう。

ぼーっと時間を過ごす。4年前にも博多から東京までひかりに乗ったが、長い時間をゆったりと列車の中で過ごすのはいいものである。それほど混雑もしていないし、うるさくもない。

夕食

岡山を過ぎたところでもう一度食堂車に行くことにする。途中、水野あおいちゃんに似た車内販売の女性が仲間の女性とおしゃべりしていた。車内販売って、どうやら交替とかしないでずっと東京から博多まで乗っているらしい、たいへんな仕事だなあと思う。

さあさあ、また食堂車だ。今度はスパゲッティミートソースをたのんだ。

今度はほとんどトンネルばかりの区間だが、たまに見える山の中の景色を見ながらスパゲッティを食べた。これで今日はあとはお菓子と飲み物だけですみそうだ。

食べ終わると広島に着いた。席に戻ろうとするとちょうど修学旅行の生徒たちがぞろぞろと降りていくところだった。降りるのを待って席に戻った。夕日が見える。1日が終わっていく。小倉まではもうすぐだ。

それからも何回か、水野あおいちゃんに似た車内販売の女性は席にやってきた。たいへんそうだなあと思いながら見送る。午後7時過ぎに小倉に着いたのでひかりを降りた。まずはいったん駅を出てみようと思い、ぼくはゆき券と特急券を渡して改札を出た。

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鹿児島本線その1

小倉駅前

夜7時になった。小倉で改札を出る。まずは「東京都区内→北九州市内」の「ゆき券」と今まで乗ってきた新幹線の特急券を改札に渡した。

まずは駅の出口の階段をおりてみることにする。

あれ、あんなところにファミリーマートがある。

2年前は小倉でコンビニが見つからなくて西小倉まで行ったのに。

でも東京のアパートの近くとか、熱海とか、けっこう新しくファミリーマートってできているから、そのうちの1つかもしれない。

新幹線では食堂車には行ったが、売店には行っていないので、ここでいろいろ買っておくことにした。

そしてふたたび改札に行く。今度は「九州ゾーン」の「ゾーン券」だ。

ゾーン券を改札に見せて階段を下りてホームに向かう。しばらくすると博多方面の快速がやってきた。

香椎駅周辺

快速に乗ってまずは香椎(かしい)まで進んだ。

ぼくが香椎で降りたわけは、松本清張の小説「点と線」の舞台である香椎の海岸を実際にこの目で見ておこうと思ったからである。いったいどういうところなのだろう。

小説

とりあえず海の見える所まで行ってみよう。

道路の左手にセブンイレブンがある。そこを通り過ぎて進む。すぐそばに西鉄の香椎駅がある。

ちょっと細い道を進むと大通りに出た。近くにファミリーマートがある。大通りを渡るとさらに細い道になる。さらに進む。

団地につきあたった。左に曲がってみる。

海岸

そのうち目の前に高速道路が見えてきた。ありゃりゃ。どうやらここは単なる博多・北九州のベッドタウンのようである。

さらに進むと大通りに出た。どうやらさっき横切った道が海岸の方向に曲がっているらしい。
大通りを海岸の方向に進んだ。

海岸に出た。道路があり、車がたくさん通っていた。道路のそばにはまた別のファミリーマートがあった。

海岸に行こうと思ったが、どうやら砂浜にはなっておらず、堤防の向こうはすぐに深い海になっているようだった。

このようにして、「小説・松本清張の『点と線』の舞台をめぐるツアー」は終了した。まあ、いい散歩になったんじゃないかと思い、香椎まで戻ってきた。

旅行1日目はこのようにして終わろうとしていた。まあ、いつもこの調子で旅行しているからまあなんとかなるだろう。

博多駅前

ゾーン券を見せて階段を昇っておりて博多行きホームに行った。電車がやってきた。もちろんそんなに混雑していない。ほんの少しではあるが、すわってすごす。

また博多の街が見えてきた。さらに進んで博多に到着した。まずはいったんゾーン券を見せて改札を出た。

博多でもローソンで買い物していくことにする。これであしたの朝まで飲み物はもつだろう。

おととしの11月にドリームつばめを待った時は、博多でかなり時間があったため高速バスのターミナルの椅子で休んだが、今回はドリームにちりんなので若干発車時刻が早く、あまり待たずにすみそうである。

だからコンビニを出るとすぐにドリームにちりんの出るホームに向かうことにした。ゾーン券を見せて改札を入る。

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宮崎空港線

博多〜小倉

ドリームにちりんが発車する1時間以上前から博多駅のホームに入り、ぼ〜っと過ごす。
何本か列車が発車し、やがて西鹿児島から来たつばめが到着した。しかしそのつばめがいきなり列車名の所の表示が変わり、ドリームにちりんになる。
ありゃりゃ、西鹿児島から来た車両が回送なしでいきなり宮崎空港行きになるのか、すごいなあ、と思った。

1年数ヶ月前にドリームつばめに乗った時と同じく、混雑するんだろうなあ、と思っていたが、どうやらそれほどでもないようだ。
発車時刻がやってきて、まずは発車だ。3時間前に快速で走り抜けた小倉までの線路を戻っていった。

小倉までの間にお客がどんどん降りていく。たいていの夜行の自由席のある特急や急行は出発地点では深夜の通勤客が、到着地点では朝の通勤客が乗っており、そして実はこれらのお客の方が夜通し乗っているお客の数より多い。ままならぬものだ。小倉までに、空席の方が多くなってしまった。

小倉では電車の進行方向が逆になる。誰も何にも言わなければこのままでもいいが、どうなるだろう。

小倉〜行橋

小倉でどやどやとお客が入ってきて、席を反対方向に回し始めた。なるほど、この電車は小倉から大分方面に帰る人の足にもなっているらしい。座っていた人たちもしょうがないという感じで立ち上がり、席を回し始めた。あれ?この電車の席を回す方式ってペダルがある方式だっけ?ペダルなし方式だっけ?

「ペダルがありますよ」と言われた。どうやら隠れて見えない場所にペダルがあって、それを踏んで回す方式らしい。なにはともあれまた座ってしばらく過ごした。

そのうちに行橋駅が近づいた。

柱時計

行橋駅は1999年2月現在高架工事中で、1997年5月に平成筑豊鉄道、1998年夏に日豊本線上りホームが高架化されていた。そして下りホームは1999年春に高架化予定であると1999年1月に行橋駅を通った時に駅の案内にあった。

1ヶ月前にこの下りホームには古い柱時計がかかっていた。もうすぐこのホームも取り壊される。それといっしょにこの柱時計も廃棄されるのだろうか。

ふとホームを見てみた。
柱時計には無情にも「故障中」の文字の張り紙がしてあった。

このホームが消えてしまうまでこのままなのだろう。こういう失われていく鉄道の風景の記憶は大切にしなければならない。そう考える。

宮崎駅

おそらく通るのは最後になる行橋駅下りホームを発車すると、いつしか眠りに落ち、気がつくと電車は高架を走っていた。アナウンスを聞くともうすぐ宮崎駅だとわかった。もちろん降りる人がたくさんいる。

たとえば、羽田空港へ行く東京モノレールなどは、いつ乗ってもお客がたくさん乗っていて、いつも立ち客がいる。おそらく宮崎空港行きの列車も同じようにお客がたくさん乗ってくるんだろう、とそう思った。

宮崎に着いた。お客が降りていく。
しかし、いつまでたってもドドドッとお客が乗って来ない。

今になって思えば、およそ空港というものは駐車場が併設されていて、自家用車の不便な大都市を除いて市街地に近い、遠いにかかわらず、自家用車でみんな行くものなんだ、と考えついた。
したがって、羽田発や伊丹発の航空便が到着したら混雑するのかもしれない。

南宮崎〜宮崎空港

そのまま電車は南宮崎に到着した。
次は終点、宮崎空港駅だ。まず日南線のちょっと古めの路線を通り、田吉(たよし)駅の新しめのホームを通過し、新しいレールに入っていった。ぼくは羽田空港と同じように地下に入るものだと思っていた。

しかし、ずっと地上のまま、細いホームに到着した。かなり見晴らしの良いホームだ。
ほんのちょっとだけ空港客がいるらしい。

宮崎空港駅

時間があるので空港に入ってみた。まず駅を出る。宮崎空港駅と宮崎空港は建物がつながっておらず、ひさしはあるものの建物の外を通って行く必要がある。
空港に入ってもお客はまばらであり、もうすぐ羽田行きが離陸する時刻とはとても思えない雰囲気である。とりあえずしばらく休んで、駅に戻ってみた。

気を引く物がある。小学生が作ったような宮崎空港近辺の案内図だ。ちゃんと「日向灘」と書いてあり、その3文字が力強い。
気がつかなかったが、宮崎駅と南宮崎駅との間には川が流れており、川の北も南も同じくらいの規模の市街地になっているようだ。

ホームに入ると電車が停まっている。そのうちもう1本電車が入ってきた。しかしこれから乗る臨時列車の南宮崎行きはもともとあったほうの電車らしい。いずれにしてもピッカピカの電車で、九州の電化区間は電車に恵まれているなあ、と感じた。
電車に乗ってあっというまに南宮崎駅に着いた。

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