2002年9月


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説明
[1日目]
東海道本線その1
東海道新幹線その1
大井川鐵道その1
大井川鐵道その2
[2日目]
大井川鐵道その3
天竜浜名湖鉄道その1
バス・天竜二俣〜遠江西川
天竜浜名湖鉄道その2
[3日目]
東海道本線その2
ロープウェイ・浜名湖パルパル〜大草山
フェリー・奥浜名湖周遊航路
東海道新幹線その2
東海道本線その3

完乗表
関連リンク
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[説明]
背景
問題点
解決策
計画1
計画2

[背景]
2002年9月のある日、いつものようにネットサーフィンをしていると、あるニュースが飛び込んで来ました。それは、

・周遊きっぷのゾーン一部廃止!

というものでした。よく見ると廃止されるゾーンに大井川・浜名湖ゾーンもありました。廃止されるのは9月30日だそうです。

実はぼくは、折を見て大井川・浜名湖ゾーンに行ってみたかったのです。と言うのも、8年前の旅行で大井川鐵道には井川まで乗っているのですが、まだ長島ダムに水がたまっていなかったのです(8年前の時点では大井川鐵道は大井川鉄道という名称だった)。

ですから、水がたまったらどんな景色になっているのかな、もう一度大井川の上流の景色を見てみたいなと思っていたのです。それには大井川鐵道の一部がゾーンに入っている大井川・浜名湖ゾーンが最適だったのです。

[問題点]
ただし、これを使うには2つほどやっかいな点があります。それは、

(1)このゾーンの東京側の入口は静岡であるが、東京〜静岡間は約180キロで、東京発だと周遊きっぷの条件に合わない

そして、

(2)単純に東京から静岡まで新幹線で往復すると、割引率が20%でなく5%になってしまう

[解決策]
まず(1)ですが、ぼくの地元はちょっとだけ東京から離れているのです。ふだん東京に行くには私鉄とJRを乗り継いで行くのですが、JRだけでなんとか行けば静岡まで201キロを超えることがわかりました。経路はぼくの地元の駅からにすることにしました。

それから(2)ですが、ここは1つ、あまり使われていない、すいていそうな特急、特急東海で静岡まで往復しようと思いました。
ただなんとなく遅い特急に高い特急料金を払うのは好きじゃありません。

そうだ、静岡から掛川や浜松までこだまに乗れば東海の特急料金は半額になるぞ、と思いました。
行きは大井川鐵道に乗るのだから大井川鐵道の始発駅の金谷(かなや)に近い掛川に行き、帰りは浜松近辺で観光しようと考えていたので浜松から静岡までの特急券があればいいな、と考えました。

[計画1]
つぎはどこに泊まるかですが、できれば大井川鐵道沿線の接阻峡(せっそきょう)温泉にでも泊まりたいなと思いました。
しかし時刻表の宿泊案内に接阻峡温泉の案内はありません。

代わりにその近くの寸又峡(すまたきょう)温泉の案内はあります。よし、1泊目は寸又峡に行こうと思いました。

2泊目は、おそらく天竜浜名湖鉄道に乗ると日が暮れそうだと思ったので、その終点の新所原(しんじょはら)に近い豊橋に泊まることにしました。

よし、これで行こうと思いました。3日間の割り振りですが、

・1日目:地元駅から東京駅に行き、特急東海で静岡に行き、こだまで掛川に行き、金谷に行き、大井川鐵道のSLで千頭(せんず)に行く。さらに奥大井湖上(おくおおいこじょう)駅まで行き、景色をながめて奥泉に戻り、バスで寸又峡温泉に行く
・2日目:寸又峡温泉からバスで千頭に行き、普通の電車で金谷に行き、掛川に行き、天竜浜名湖鉄道で天竜二俣に行き、バスで遠江西川に行き、バスで天竜二俣に戻り、新所原に行き、豊橋に行く。
・3日目:もし天気が良ければ豊橋から浜松に行き、定期観光バスに乗る。天気が悪ければその時考える。浜松からこだまで静岡に行き、特急東海で東京に行き、地元の駅に戻る。

という予定で行くことにしました。

[計画2]
宿を取りました。1日目は寸又峡温泉の朝日山荘、2日目は豊鉄ターミナルホテルにしました。

周遊きっぷとこだま、特急東海の特急券もアパートもよりの旅行会社で無事買えました。

こうして周遊きっぷを使うのもおととしの2月の名古屋の旅行に引き続いて5回目を迎えることとなったのです。

完乗表
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東海道本線その1


【menu】
寝台特急到着
発車
東京〜品川
品川〜静岡
関連リンク

[寝台特急到着]
東京駅にやってきた。今は朝7時ちょっと前である。コンビニで朝食用の讃岐うどんを買ってある。

特急東海の発車は7時18分だ。ちょっと時間があるが、東海の出るホームに向かった。

このホームはいろいろと夜行列車が到着するホームらしく、ホームには寝台特急銀河が停車していた。写真に撮っている人もいる。

東海の自由席は神田寄りにあるので、ちょうど目の前には銀河の機関車があった。見ていると機関車が客車から切り離された。

以前門司港まで客車に乗った時みたいにディーゼル機関車が「機回し」されていくのかと思ったが、そのまま留まっていた。

そのうちとなりのホームに寝台特急出雲がやってきた。カメラで撮る人がいる。出雲が到着すると銀河の客車だけが有楽町方向に動いていく。

どうやら別の機関車が有楽町寄りに連結されて運ばれていったようだ。おそらく東京駅ではすべての客車の寝台特急がこの方式で回送されているのだろう。

その後、ひとり残された機関車が有楽町方向に進んでいった。

つづいて出雲も機関車が切り離される。そして今まで銀河がいたホームに今度はサンライズ瀬戸・出雲がやってきた。2ヶ月前にぼくはこの電車で東京に到着したので、なつかしい気持ちで見ていた。サンライズ出雲・瀬戸が到着すると出雲の客車が、そして機関車が有楽町方向に進んでいった。
旅行記メニュー

[発車]
そんなこんなでようやく特急東海の到着である。知っていたことではあるが、ムーンライトながらで使われている電車である。ムーンライトながらとして乗ったことは何度もあるが、特急東海として乗るのは今日がはじめてとなる。

到着し、ドアが開いた。ほとんどお客はなく、楽々とこしかける。
いすの頭のうしろに布がかけられている。これはムーンライトながらにはない。
このくらいしかムーンライトながらと特急東海の差はないのである。

とりあえずコンビニで買った讃岐うどんを食べることにする。車内アナウンスがあった。
この東海には車内販売は乗っていないとのことである。つらいことである。

そのうち発車時刻になり、発車である。
旅行記メニュー

[東京〜品川]
電車はゆっくりと静岡に向けて動いていく。
車掌がやってきたので静岡までのゆき券と東京→静岡の特急券を見せた。

そして讃岐うどんも食べ終えてゆっくりする。そのうち電車は品川に到着した。

そのうちアナウンスがあった。

「この先川崎までの間で乗用車がふみきりに立ち往生したため、一時運転を見合わせております。」

ふみきりのない新幹線と比べるとまだまだ東海道本線は信頼性が低いのだな、と感じた。
どうなるのかと思っていると次のアナウンスがあった。

「乗用車はふみきりから出ました。現在確認を行っております。確認次第発車の予定です。」

そんなアナウンスが数分おきに繰り返し行われる。
旅行記メニュー

[品川〜静岡]
そして20分くらい遅れてようやく特急東海は発車した。
まずはなんとか旅が続けられそうだ。

無事品川を発車すると安心して眠ってしまった。

ところどころ、特に小田原と熱海の間はきれいな海が見えるので起きていたが、それ以外はほとんど眠ってしまっていた。なにしろ今朝は5時半に電車に乗る必要があったので、午後10時から12時くらいまで寝たほかはずっと朝まで起きていたのだ。

そして気がつくともう清水である。

そして電車は進み、高架に昇っていく。そして終点静岡に到着である。
さて、ここから掛川までこだまに乗る予定になっているので、階段まで歩いていく。すると向かいのホームから浜松行きが発車するのが見えた。もしかしたら新幹線に乗るよりもこの電車に乗った方が金谷に早く着けるかもしれないが、すわれないことが確実なので、やはり新幹線に乗ろうと考えた。ぼくは階段をおり、新幹線との中間改札に向かっていった。
旅行記メニュー

東海道新幹線その1


【menu】
静岡駅
静岡〜掛川
掛川駅
掛川〜金谷
関連リンク

[静岡駅]
静岡駅で特急東海を降りたぼくは、新幹線連絡改札に行き、係員に大井川・浜名湖ゾーン券と静岡→掛川の特急券を見せた。ついでに静岡までのゆき券と東京→静岡の特急券も見せると、「それじゃこれだけ回収しますね。」と言って東京→静岡の特急券だけ回収していった。

エスカレーターを上がってホームに行く。

静岡も、東海道新幹線の半分近くの駅と同じような、ホームが2つあり、線路が4本ある駅である。
旅行記メニュー

[静岡〜掛川]
しばらく待っているとこだまがやってきたので乗った。

特急東海ほどすいていないが、席はあり、すわれた。すわるとひかりかのぞみらしき特急が2本ほど追い抜いていく。新幹線はダイヤを引くのがたいへんそうだ。

そして発車である。

山陽新幹線よりトンネルは少ないとは言え、新幹線なので掛川との間にはそれなりにトンネルもあった。

ところどころ見える景色には、お茶の畑などもあったりしておもしろい。
しかしそんな時間もわずかで、じきにこだまは掛川に到着した。ここで降りる。
旅行記メニュー

[掛川駅]
まずは大井川鐵道の出る金谷まで行かなければならない。掛川の中間改札に来た。

ここは中間改札に自動しかないのである。このきっぷは新幹線の自動改札は通れないような気がするけどなあ。

係員に大井川・浜名湖ゾーン券と静岡→掛川の特急券を見せて、「これ、自動改札通れないと思うんですけど。」と言うと「とりあえず通ってみてください。」と言われたので通ってみたが、やはり改札は閉まってしまう。

結局なにやらうらわざらしいしかけを係員が自動改札に施し、特急券だけ渡してぼくは開いた改札を通っていった。

そして静岡方面の東海道本線のホームに来た。

特急東海にすぐに浜松方面の電車が接続していたし、ひょっとしたら新幹線を使わない方が速かったかもしれないなあと思ったが、いや、それだと静岡から金谷までずっと立ち通しだったろうと考えた。たとえここから金谷まで立っていたとしてもわずか2駅だし、やっぱり新幹線に乗った意味はあるだろうと考えた。
旅行記メニュー

[掛川〜金谷]
静岡方面の電車がやってきた。やはりすわれないようだ。乗ると発車する。
電車は進んでいく。掛川と金谷の間はけっこう起伏の多い地形である。トンネルもある。

静岡は山がちな地形だが、住んでいる人は地形にも負けずにがんばって住んでいる。
なかなかたいへんだなあと思いながらぼくは景色をながめた。

菊川を過ぎ、トンネルに入った。確か金谷はトンネルのそばの駅だったなあと思っていると、電車はスピードを落としていった。トンネルを抜け、金谷のホームが見えてきた。そして到着。

このきっぷ、在来線は自動改札は通れたっけなあと思いながらぼくは金谷の自動改札に大井川・浜名湖ゾーン券を通した。無事通れた。さあ、大井川鐵道の駅に行こう。
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大井川鐵道その1


【menu】
指定席券
散歩
金谷〜新金谷
新金谷〜千頭
計画
関連リンク

[指定席券]
8年ぶりに金谷の駅に降りたわけだが、大井川鐵道の金谷駅はあの時と同じように駅の右の方にあった。

今日は8年前には乗らなかったSLに乗っていこう。

窓口でゾーン券を見せてSLの指定席券を注文すると無事買えた。

さて、発車までは1時間ほどある。どうしようか。

駅のまわりにどこか歩いていく場所はないか、駅にある案内を見て探すことにした。

案内にはすぐそばに神社があると書いてあった。行ってみよう。
旅行記メニュー

[散歩]
道をちょっと進むと小さな橋があった。それを渡ると階段があるので昇ってみた。確かに神社だ。
そんなにありがたいものでもないなあと思いながら、ちょっとだけおいのりをして駅に戻った。

まだ時間がある。もう一度案内を見ると金谷駅をちょっと東に進んで線路の下を南に進み、そして西に進んでしばらくした所に何か名所みたいな場所があるらしい。行ってみよう。
案内ではこのあたりかなあと思いながら進むが、なにもなさそうだなあ。道を間違えたかと思い、戻ることにした。

よくよく案内を見ると、どうも進み足りなかったようだ。まあ仕方がないかと思い、このままSLを待つことにした。駅舎の中はお客でいっぱいだから外で待つことにする。

さらに案内の中に、今日泊まる寸又峡(すまたきょう)や大井川鐵道沿線の接阻峡(せっそきょう)の旅館案内の図があった。今日ぼくが泊まる朝日山荘もある。図を見るとどうやら寸又峡の北西に位置しているようだ。よし、この図を頭の中に入れておこうと思った。
旅行記メニュー

[金谷〜新金谷]
そのうち改札が始まった。お客はたくさんいる。ゾーン券と指定席券を見せて改札を抜ける。
まずは機関車でも見てみようと思い前方に向かったが、機関車に達する前にホームが終わってしまった。どうやら金谷駅では機関車は見られないようである。

とりあえず指定された席に向かうことにした。

客車はけっこう古めのボックスシートになっていた。わざわざこのSLのために作るわけがないので、どこかから持ってきたものだろう。なかなか感じのいい客車である。

待っているとそのうちおばさんたちがやってきて弁当を売り始めた。なにしろ昼飯時なのだ。ちょっと高いかもしれないが、記念だしいいかと思い買うことにした。弁当のゴミは席に置いておけば持っていってくれるそうである。片づけ代も含まれているというわけである。

そして発車時刻となり、SLらしくゆっくりと客車は発車していった。
まずは東海道線に沿って静岡方向(南東)にちょっとだけ進む。

そして北に向きを変えて新金谷に到着する。なんでもここに駐車場があって、車で来る人はここから乗るようだ。

確かに新金谷で乗ってきた人もいたが、ぼくのボックスはぼく1人である。あとで知ったことだが、よほど満員にならないと相席にならないそうである。
旅行記メニュー

[新金谷〜千頭]
客車は新金谷を出発すると大井川が見えてきた。ぼくはこの路線には8年前に乗ったことがあるのでそれほど景色については驚きはしない。でもひさしぶりに見る風景は、やっぱり風光明媚だなあと感じた。

川を見ながら進む。釣りをしている人もいる。

右手に保養センターらしい場所があって、プールもあった。そこから中年の男性たちが手を振っている。やっぱりSLは地元の人に歓迎されているんだなあと感じた。

ワンピースの水着を着た中年の女性もいる。中年らしいけどいいスタイルをしている。

そのまま列車は進む。途中橋を渡り、今度は川の西から東へと移った。
そしてトンネルをくぐる。SLのけむりが入ってくるんじゃないかと思うくらいの長いトンネルであった。

トンネルを過ぎるともうすぐSLの終点の千頭(せんず)である。大井川鐵道はこの先、井川まで続いているが、SLは千頭止まりである。

また、この「大井川・浜名湖ゾーン」のゾーン券の効果も千頭止まりなのである。井川までは別にきっぷを買っていかなければならないのだ。

また橋を渡ってレールは大井川の西に来た。そして家並みが増えてきて、客車のスピードが落ち、停止した。終点千頭に到着である。ぼくは客車を降りた。
旅行記メニュー

[計画]
さて、ぼくはここから先に進もうと考えた。どこまで行くかだが、奥大井湖上にしようと思った。
なぜなら8年前にここに来た時は、まだダムに水が入っておらず、奥大井湖上駅のあたりから見た大井川はとても深い渓谷だったのである。

8年たって水も入ったことだろうから、駅から見た大井川の景色がどれくらい変わっているか確かめてみたい、というのが降りる理由である。井川には8年前に行っているので特に行かなくてもいいかと思った。

確か時刻表ではそんなに乗り換え時間がなかったなあと考えながら他の人について進む。右手にSLがあり、煙を上げているがゆっくり見るわけにもいかない。

どうやら井川行きは左手に見える列車のようだ。それからさらに前方を見ると、なんと中間改札があるらしい。そのそばにはきっぷ売場もあった。

ぼくはきっぷ売場に並び、順番が来たところで「奥大井湖上まで」と言い、ゾーン券を見せた。そうしたら「SLの指定席券は?」と聞かれたので、それも見せた。そしてお金を払ってきっぷを受け取る。そして中間改札にきっぷを見せて通り抜けていった。SLの旅は終わったが、今日の旅はまだまだ続く。
旅行記メニュー

大井川鐵道その2


【menu】
千頭〜長島ダム
長島ダム〜奥大井湖上
奥大井湖上〜奥泉
奥泉〜寸又峡温泉
夕食
夜もヒッパレ
関連リンク

[千頭〜長島ダム]
千頭(せんず)駅で中間改札を抜けると古そうな客車があった。8年前も乗ったはずなのだが同じものか覚えていない。客車は井川行きである。まずは乗り込む。

さすがに3連休初日なので混雑している。SLのお客が全部乗ったわけではなく、ほんの一部のようだがそれでもお客は多い。ディーゼル機関車と連結した客車は発車する。

8年前と同じように、車掌が沿線の案内をしていく。千頭近くの集落から離れる。大井川はSLに乗っていたときより狭くなっている。途中トイレ休憩があったりして、アプトいちしろに着いた。8年前と同様に、ここでうしろに電気機関車が連結される。そして発車。

ゆっくり、ゆっくりと急勾配を上っていく。途中、昔の大井川鉄道(当時の名称)のレールが低いところに見える。電気機関車と客車が登り切ると長島ダム駅である。
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[長島ダム〜奥大井湖上]
車掌の説明では、つい最近長島ダムの水位は「100年で一番多い」ところまで貯まったとのこと。でも今は少し水位が下がっているそうだ。そのうち目的地の奥大井湖上が近づいた。長い鉄橋を渡り、離れ小島のような駅、奥大井湖上に着いた。ここで降りる。

奥大井湖上からのながめは、それはすばらしかった。2つの鉄橋にはさまれ、Cの字にダムの水が貯められている。8年前は、はるか下の方に水面が見え、とても川の水からの標高差が大きな橋だったことを思い出す。あのころからここに水が貯まったらどんな風景かと思っていた。周遊きっぷがあるうちに来られてよかったなあと思う。

鉄橋の途中まで歩いたり、遊歩道を歩いてみたりして景色をながめてみたが、ちょっと疲れたのでどこかで休もうと思った。駅の近くにバンガローみたいな場所があった。いちおう待合室みたいな場所らしい。千頭行きが来るまでぼーっとして過ごす。もうそろそろホームに行こう。
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[奥大井湖上〜奥泉]
千頭行きに乗るのはぼくだけだった。もちろん無人駅なのできっぷは車掌から買う。
「どこまで?」「奥泉」「奥泉?」「寸又峡温泉に行くんです」「ああ、なるほど奥泉で乗り換えだね。」

そんなふうにしてきっぷを売ってもらう。接阻峡温泉の方からはかなり客が乗ってきた。日帰り温泉でもあるのかもしれない。

あとは長島ダムで今度は前の方に電気機関車がとりつけられ、電気機関車がブレーキとなってアプトいちしろに行き、機関車が切り離されて奥泉に着いた。けっこう降りる人がいる。ぼくと同じように寸又峡に行く人らしい。バス停で待つ。
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[奥泉〜寸又峡温泉]
バスが来たがかなり人が乗っている。こちらもけっこう待っている人がいる。もしみんな乗ったら通路まで人があふれそうだ。バスには車掌さんが乗っていて、こう言った。

「無線で別のカラのバスを呼びますのでしばらくお待ちください。」

そして千頭から来たバスは行ってしまう。20分くらいして本当にさっきと別のお客のいないバスがやってきた。20人くらいいたお客が乗ってすわる。こちらにも車掌がいる。

どこのバスも満員で通過するときはこうやって臨時バスを出してくれればいいのになあと思う。

まずは順番に、車掌から寸又峡温泉まできっぷを買う。あとは車掌のアナウンスを聞きながら景色をながめる。大井川沿いの盆地を離れ、山の中に入っていく。

山を抜け、川沿いを走る。なぜか新しそうなトンネルを通る。このトンネルができるまでは川沿いの細い道を通っていたそうだ。川がぐにゃぐにゃ曲がっているのでトンネルが近道になっている。

終点が近づくと車掌さんが、

「これから申し上げるホテルにお泊まりのみなさんは、手前の停留所でお降りください。それ以外のホテルにお泊まりのみなさんは、終点でお降りください。」

と言った。そしてホテル名を言っていくが、ぼくが泊まる朝日山荘はなかったので終点で降りればいいのだろう。そしてバスは温泉街の入口に着いた。バスのお客の半分強が降りていく。そして温泉街を通り抜け、終点に着いた。さっき買ったきっぷを渡して降りる。
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[夕食]
えーと、金谷駅にあった寸又峡温泉の地図のとおりだとするとこっちだな、と思って歩いた。すぐに朝日山荘が見つかった。チェックインして部屋に行く。もちろん和室だ。

ゆかたに着替え、窓を開けて午後6時になるまでぼーっと待っていた。やっぱり山の中の温泉街はいいなあと思った。

6時になると食事である。3連休なのでとてもお客は多い。4年前の平戸・島原・山鹿の一般周遊券旅行(1998年2月)並みの豪華な食事である。山の中なのにけっこう魚が豊富な食事であった。おなかもいっぱいになったところで少し休んで風呂に入ることにする。もちろん温泉である。

ここの温泉は「美人の湯」と呼ばれているらしいが男であるぼくにはあまり関係ない。
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[夜もヒッパレ]
それより今日は日本テレビの「夜もヒッパレ」の最終回だ。ちゃんと見なくちゃ。

夜9時になり、夜もヒッパレが始まった。こんなにおもしろい番組なのに、なんで終わっちゃうんだろう、新番組がおもしろかったらいいなと思いながら番組を見終わる。さあ、あしたの朝食は7時だ、早く寝ようと思い、明かりを消して寝る。あしたも1日旅行だ。おやすみなさい。
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大井川鐵道その3


【menu】
寸又峡温泉〜千頭
千頭〜金谷
関連リンク

[寸又峡温泉〜千頭]
目が覚めた。ここは寸又峡温泉(すまたきょうおんせん)の朝日山荘である。朝食の時刻になったのできのうの夕食と同様に食堂に行って食べた。やはり豪華な食事である。三連休なのでお客も多い。

そして宿代を払ってバスターミナルに向かった。どうやら寸又峡は多少歩くとながめの良い場所に出られるらしいが今日は先を急がなければならない。バスが来たが乗る客は少ない。もう少し遅いバスに乗る客が多いようだ。そしてバスは千頭に向かってきのう来た道を戻っていく。

バスは細い道を進み、トンネルをくぐる。そしてきのう乗った奥泉駅にも寄り、川に沿って広くなった道を進んでいく。そして平野が広くなってきて、千頭に着いた。
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[千頭〜金谷]
バスを降りて大井川・浜名湖ゾーンのゾーン券を見せて改札に入り、金谷行きの多少古びた電車に乗った。そして電車が発車する。

きのう乗った道と逆の道を進み、電車は大井川を見ながら進んでいった。しかしまるで混雑しない。

SLはお客がたくさん乗るが、休日の電車のお客の数はこんなものらしい。観光客らしい人もまるでやって来ない。

大井川の景色を見ながら電車は進み、やがて大きく電車は右に曲がり、左に東海道本線らしいレールが見えてきた。そして終点、金谷に到着した。

さあ、掛川に行って天竜浜名湖鉄道に向かおうと思い、ぼくはゾーン券を見せて大井川鐵道の改札を出てJRの方に向かった。
旅行記メニュー

天竜浜名湖鉄道その1


【menu】
金谷〜掛川
掛川〜天竜二俣
関連リンク

[金谷〜掛川]
大井川鐵道の金谷駅を出てJRの改札へと向かう。大井川・浜名湖ゾーンのゾーン券を自動改札に通して入る。さすがに青春18きっぷのシーズンではないため、日曜とは言え掛川に向かう電車はあまり混雑していなかった。トンネルをくぐって進み、電車は掛川に着いた。

今日はここから天竜二俣行き列車に乗り、バスで遠江西川に行く予定である。列車の時刻まで時間があるのでいったん改札を出て、駅のコンビニでおかしと飲み物を買う。

そしてホームに行く。ホームにあったディーゼル車はけっこう新しい車両だった。
旅行記メニュー

[掛川〜天竜二俣]
あれ? 8年前に新所原から掛川まで乗った時はこんな列車だったかな? まあ8年も経っているから車両も変わってもおかしくないのかもしれない。

列車に乗って発車を待つ。お客は学生が数人いるだけである。まあこんなものだろう。発車だ。

掛川を離れるとまちはずれを進んだ。東海道本線の方も似たような景色なのでそれほどありふれたものではない。駅も多く、ゆっくり進んでいく。そして目的地、天竜二俣に着いた。

これから乗るJR東海バスの水窪(みさくぼ)行きが発車するまでは1時間以上あるので昼食を食べようと考えた。駅の西の方にスーパーが見えたので行ってみた。結局いつものように弁当を買い、駅に戻って食べた。まずはひといきついた。
旅行記メニュー

バス・天竜二俣〜遠江西川


【menu】
天竜二俣〜西鹿島
西鹿島〜遠江西川
遠江西川〜温泉
入浴
遠江西川〜西鹿島
関連リンク

[天竜二俣〜西鹿島]
弁当を食べてひといきついたところで、天竜二俣駅前のバス停の発車時刻を見てみた。
そこにはこんな案内があった。「この路線は9月30日をもってJR東海バスの営業を終了いたします」

うーん、お客が少なくてやっていけなくなったのだろうか。いちおうJR以外のバス会社で運行されるようだが、もし10月以降に来ていたらおそらく大井川・浜名湖ゾーンでは乗れないだろう。

ぼく以外誰もお客がいないまま水窪(みさくぼ)行きのバスはやってきた。乗って発車。しばらくまちなかを進む。多少は乗り降りがある。そして7年前に遠州鉄道でやってきた西鹿島に着いた。

ぼく以外のお客はみんな降りており、運転手も「5分ほど休憩します」と言ってバスを降り、たばこを吸い始めた。
旅行記メニュー

[西鹿島〜遠江西川]
5分たって発車し、いったんもと来た道を1キロほど戻り、左に曲がっていよいよ天竜川沿いにバスは進み始めた。人家もなくなり、山と川にはさまれた道を進んでいく。

途中集落があると寄り道し、何人かお客が乗り、降りていく。しかしたくさん乗ったときも乗客は合わせて4人程度である。そのまま集落と集落の間の道を進んでいく。

そしてようやく大井川・浜名湖ゾーンで行ける水窪行きバスの北限、遠江西川(とおとうみさいがわ)に着いた。ゾーン券を見せるが、例によって運転手はこれが何なのかわからないようだ。それでも券にはちゃんと遠江西川と書いてあるのでようやくこのバスもこのゾーン券で乗れることがわかったようで降ろしてもらえた。
旅行記メニュー

[遠江西川〜温泉]
さてあたりを歩いてみる。ここはダムのようだ。トンネルがあるので進んでみる。トンネルを抜けるとダム湖とダムの下の境界の道に出る。なんでこんなところをゾーンの北限にしたんだろう?

橋を渡りきるとベンチが並ぶスペースに来た。すわってぼーっとダム湖をながめる。これからどうしよう。

そばの道を見るとおそろしいことが看板に書いてあった。「この先1キロ温泉」とのことだ。ここまで来て何もしないで帰るのもなんなので行ってみることにした。

遠江西川の停留所は天竜川の西にあったが、橋を渡って東に来ている。バス通りはこっちには来ないため、温泉に行く道はもともとバスは通っていないわけだ。でも車が通るには十分な道を北に向かって歩く。
旅行記メニュー

[入浴]
着いた着いた。ただのちょっと新しい鉄筋の建物だ。営業しているようだ。窓口に800円払うと温泉に入っていいと言われた。

きのう寸又峡温泉に泊まったばかりであまり温泉にありがたみもないのだが、とにかく入る。

ふだん鉄道で旅行していると、こういう鉄道から離れた場所の温泉なんてのは縁が遠い。

きょうは3連休のなかびなので、ちらほらとお客が来てはいるが、ものすごく混雑しているというわけでもない。ふだんはがらがらだろう。まして周遊きっぷなんか使っているのはぼくだけだろう。みんな車のようだ。

大井川・浜名湖ゾーンがなくなったとしてもここの温泉の営業にはたいして影響はないだろうなあと思いながら、ゆっくり温泉につかり、ころあいのいいところで出てテレビのあるたたみの部屋に行ってみた。大相撲の秋場所をやっている。すもうを何番か見てバス停に帰ることにした。
旅行記メニュー

[遠江西川〜西鹿島]
てくてく歩いて橋に着き、トンネルをくぐって停留所に着いた。待合室があり、うす暗い場所にベンチがある。すわって待つと他のお客がやってきた。もうそろそろ天竜二俣行きが来る時刻である。道に出て待つと定刻よりちょっとだけ遅れてバスがやってきた。

帰りのバスは行きよりもちょっとだけたくさんお客がいた。でも5人以上10人以下といったところであった。乗っているうちに暗くなる。天竜川もあまり見えないまま時間が過ぎる。お客は短距離だけ乗ってすぐ降りる人もいるが、ずっと乗っている人もいるようだ。
ぼくは天竜二俣までは行かず、途中の西鹿島で降りることにした。今日の泊まりは豊橋なので、その方が近いからだ。バスは無事西鹿島に到着。ここで降りる。

今度の運転手も大井川・浜名湖ゾーンの周遊きっぷのことはよく知らないみたいだったが、整理券を見せて自分が乗ったのが遠江西川であることを説明すると降ろしてくれた。

あまりぱっとしなかった3連休のなかびだったが、予定外の温泉に入れたなあと思いながら、ぼくは目の前の駅に近づいていった。
旅行記メニュー

天竜浜名湖鉄道その2


【menu】
旅行記本文
関連リンク

[旅行記本文]
遠江西川(とおとうみさいがわ)から乗ってきたJR東海バスを西鹿島で降り、列車の改札に向かった。

どう見ても遠州鉄道の改札らしい場所だ。どうやら天竜浜名湖鉄道の改札も同じ場所らしい。ためしに大井川・浜名湖ゾーンのゾーン券を見せてみたら通れた。案内に従い階段をのぼっておりる。

遠州鉄道の方のホームは明るいが、天竜浜名湖鉄道の方のホームは1面しかなくてさびれていた。全国各地に乗換駅なのにさびれている駅があるがここもそうみたいだ。

新所原行きディーゼル車がやってきた。乗ってみたがすいている。普通、地方の列車と言えば夕方もう暗くなった時間なら高校生で混雑しているはずなのに、それもない。このへんでは通学に列車を使う人はいないのだろうか?

列車は駅にたくさん停まるが客の乗り降りはとても少なく、さびれた場所を進んでいく。
そして列車は新所原に着いた。ここはJRに乗り換えやすい駅だ。まずは豊橋方面のホームに行き、電車を待つことにした。
旅行記メニュー

[完乗表]
★未乗:なし
★一部乗車:山形 東京 富山
★完乗:上記以外
★未乗→一部乗車:なし
★一部乗車→完乗:なし
★備考:なし

[関連リンク]
東海道本線  ★東海道新幹線  ★大井川鐵道  ★天竜浜名湖鉄道
特急東海  ★こだま  ★SL  ★客車  ★JR・地下鉄以外の電車
JR以外のディーゼル車  ★夜行でないバス  ★JRの電車  ★ロープウェイ  ★フェリー
愛知県  ★西方面・近距離  ★なくなる前に  ★周遊きっぷ・大井川・浜名湖ゾーン  乗車年度インデックス

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