1996年12月その1・2日目


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高山本線その1
神岡鉄道
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高山本線その1


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[旅行記本文]
目が覚めた。時計を見る。良かった。今日は8月と違って寝坊していない。

ここは富山駅前の富山ステーションホテルである。今年8月の立山黒部アルペンルート旅行に続いて、今日の青春18きっぷ旅行でもこのホテルに泊まったわけである。

とりあえずチェックアウト。朝食はカロリーメイトでいいだろう。

青春18きっぷに日付を入れてもらって富山駅の改札を通る。今度の高山本線の猪谷(いのたに)行きは、改札の前、階段をのぼらなくていいホームである。しばらく待つとディーゼル車がやってきた。けっこう新しいディーゼル車である。

お客もそんなにおらず、定刻に発車。
北陸本線に沿って西に進み、分岐して左に曲がっていく。

しばらくは平野を進むが、そのうち左右に山がせまるようになってきた。
お客も少なくいい雰囲気である。

かなり山の中に入ったころ、ディーゼル車は終点猪谷に到着した。まずは降りる。

これから乗ることになる神岡鉄道のディーゼル車はすでにホームに見えていた。さあ、乗ろう。
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神岡鉄道


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猪谷〜奥飛騨温泉口
奥飛騨温泉口〜猪谷
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[猪谷〜奥飛騨温泉口]
富山から乗ってきた高山本線のディーゼル車を猪谷(いのたに)で降り、神岡鉄道のディーゼル車にやってきた。どこもそうだが、ディーゼル車はものすごく古いものもあることはあるが、最近はかなりのディーゼル車が新型になっている。

神岡鉄道のディーゼル車もかなり新しそうなものである。今は逆に電車が古い時代である。なぜなら地方の電車の路線では、都会で使っていた電車を譲り受けて使用することが多いからである。

これと比較するとどこかの非電化路線で、ディーゼル車を譲り受けて使用するということは少なく、たいてい新車を使うことがほとんどで、そんなこともあってディーゼル車は快適である。

あまりお客もないまま神岡鉄道は猪谷駅を発車した。川に沿って谷間を進む路線である。

意外と集落がちらほらと見受けられる。駅があるくらいだからお客がいるのだろう。

終点奥飛騨温泉口が近づくにつれて、逆に集落が増えてきたような気がする。神岡鉱山前から終点までの区間列車があるくらいだから終点の方が集落の人口が多いのだろう。そして終点、奥飛騨温泉口に到着である。まずはいったん運賃を払ってディーゼル車を降りる。
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[奥飛騨温泉口〜猪谷]
猪谷に戻る列車までけっこう時間がある。その間どうしよう。
案ずることはなく、駅舎に喫茶店らしき場所があったので入ってみた。ぼくのほかにも客はいる。

メニューはいろいろあり、どれを頼んでもたいして値段は変わらないので、モカマタリを頼んだ。
どうやらぼくのほかの客は神岡鉄道の客ではないようである。まあ、地域の喫茶店なのであろう。

こんな山奥でも人が暮らしているのである。こういうところで暮らすのはたいへんそうである。ぼくはあまり喫茶店に行くことは多くなく、他に店がないときにしか行かないが、こういう店は大事にしたいものである。

さあ、猪谷に戻ろう。駅で猪谷まできっぷを買ってまだディーゼル車に乗る。またここに来ることがあるのかなあと重いながら列車に乗る。出発だ。谷間を進んでいく。
そしてまた猪谷に戻ってきた。列車を降りる。接続は良く、すぐに富山行きに乗らなければならない。さあ、乗り換えだ。
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高山本線その2


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奥飛騨温泉口から乗ってきた神岡鉄道のディーゼル車を猪谷(いのたに)で降りて、富山行きに乗り換えた。わっ、満席だ。
神岡鉄道のお客は少なかったから、高山の方から来たお客が多いのだろう。そして山の中の駅、猪谷を出発した。

数時間前に富山から猪谷まで乗った時と違って、あとからあとからお客がやってくる。こんな日曜日なのにお客が多いのである。日曜日だから多いのか。
ドアのそばに立っていたが、さらにお客が乗ってくるようなので奥に進むことにする。青春18きっぷの旅行はこんなことも多いのである。

ぎゅうぎゅう詰めの中、なんとかディーゼル車は谷間を抜けて富山の平野に入ってきた。そして右に曲がって川を渡り、ようやく富山駅に入ってきた。ふう、疲れた。

直江津に向かう電車までは時間があるので、富山地鉄の駅のそばの「8番らーめん」でラーメンでも食べることにした。これで東京に帰るまで食事しなくてもいいだろう。
ラーメンを食べてひといきついた。さあ、直江津行きに乗ろう。
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北陸本線その4


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[旅行記本文]
富山駅の8番らーめんでラーメンを食べてからまた青春18きっぷを見せて改札に入った。そして直江津行きの電車に乗る。

今度の電車は寝台改造車ではなく、ボックス席主体の見通しのいい電車だった。さきほどの高山本線ほど混雑もせずに出発。

きのう魚津から富山まで乗った時はまっくらだった場所を通っていく。右手に山が見える。12月の雪がちらほら見える山々だ。

魚津を過ぎてしばらくすると海が見えてきた。このあたりは夏に特急白山で通っているが、冬は冬で海が荒れていたりしておもしろい。

富山と新潟の県境では海の中に高速道路があったりしておもしろい。そして糸魚川を過ぎて照明がしばらく消え、またついた。

ここから直江津まではトンネルが多く、ゴーゴー言いながら通り過ぎる。そしてようやく直江津に到着だ。

しかしなんだかおかしい。どうも駅の端に停まったようで、駅舎からだいぶ離れている。

これでは高崎行きに乗り換えるのにだいぶ距離がある。走らなくちゃ、と思ってぼくは電車を降りて走り出した。
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信越本線


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直江津〜軽井沢
軽井沢〜高崎
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[直江津〜軽井沢]
富山から乗ってきた電車を直江津(なおえつ)で降りて、ホームをしばらく走って階段を上がっておりて、なんとか高崎行きの電車までやってきた。直江津は富山から来る電車がかなり離れた位置に到着するのである。

直江津から高崎行きの各駅停車が出るのもあと1年足らずになってしまった。あとどれくらい乗れるかわからないが、「かみしめて」乗ろうと考えた。

電車は直江津を発車する。やがて直江津の平野を離れ、左右に山が並ぶ場所にやってくる。新潟と長野の県境だ。

県境の景色はどこも独特で、川を渡る所、トンネルばかりのところがかなり多いが、新潟と長野の県境もそんな独特な場所の1つとして通り過ぎていく。

しかしぼくはそのうち眠ってしまった。気がつくと盆地を走っているようだ。上田のあたりらしい。お客もすっかり入れ替わっているようだ。

もう何度も普通列車や特急、そして急行能登で通り過ぎている場所であるが、本当にこの路線がJRでなくなってしまうのかなあと感じた。電車は何度も通った小諸を過ぎて軽井沢に着いた。今まで乗っていた客はかなり降りて、電車はがらがらになった。夕方になり、だいぶ暗くなっている。
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[軽井沢〜高崎]
そしてしばらく停車した後で、電車は碓氷峠に入っていく。あと何回ぼくはこのレールを通ることができるのだろうか。もしかしたらこれが最後になるかもしれない。

碓氷峠を横川方向に進む時はいつもそんなにスピードを上げずに進んでいく。今日もそうだ。

電車はかなり傾いているはずだよなあと思いながら電車の両端を見てみる。確かにかなり横川側が低くなっているようだ。

碓氷峠も県境である。ここは短いトンネルが数十続いている。トンネルとトンネルの間は森が見える。県境の景色としてはいい景色である。

そのうちトンネルを抜けたようだが、12月の日は短く、もう景色は見えなくなっていて、横川に到着である。しばらく停車していよいよ高崎まで走る。

安中のあたりで多少お客が乗ってくる。そして高崎である。最後の高架をのぼり、上越新幹線が近くに見えて、高架をおりて終点高崎に到着である。

長かった旅ももうすぐ終わりだなあと思いながら、ぼくは上野行きの電車に乗り換えるため電車を降りた。
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高崎線


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直江津から長いこと乗ってきた電車を高崎で降りて、上野行きに乗り換えた。

信越本線の電車と高崎線の電車は似たような電車なのに、車両数も多いし雰囲気も違う。

すっかり暗くなってしまった。あしたは休みだし、お昼まで眠って疲れを取ることにしよう。

大宮が近づくと混雑してきたが、けさの富山行き高山本線の混雑に比べたらたいしたことないな、と思いながらアパートに帰っていった。
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